中国小皇帝の学校ストレスの現状
ー上海市重点中学校と普通中学校についての調査研究ー
                          教育学研究科  陳 強

 要 旨
 本研究は、Lazarusらの心理的ストレス理論に基づいた認知的評価のプロセスモデルを提唱し、中国小皇帝たちの学校ストレスの現状を究明し、その未開拓の領域に足を踏み入れることを目的とする。本研究は上海市にある重点中学校と普通中学校の2年生計339名を対象に、質問紙法を用いて、学校ストレッサー、ストレス反応、コーピングとソーシャルサポートを測定した。その結果から、以下の点が明らかとなった。@重点校の生徒と普通校の生徒の学校ストレッサーに関する評価は有意な差がなかった。それゆえに、ストレス反応に関する有意な差もなかった。A女子は「抑うつ、不安」、「自信喪失」において、ストレス反応の表出が高い傾向にあることが明らかにされた。B「積極的対処法」と「認知的対処法」において、性差について有意な主効果が確認された。いずれも女子が男子より高得点であった。Cソーシャルサーポート尺度では性差の主効果が見られ、その上、学校差も認められた。
キーワード:中学2年生、学校ストレッサー、ストレス反応、コーピング、サポート
問題と目的
予備調査
本調査
総合考察
今後の課題
引用文献
更新日:2004.4.1


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