第5回の分析
 
 
 第5回では『自分』が最も多く使われていた。自分(児童A)と他者とを対比させてある記述が多く、自分の意見や考えに対しては真剣に取り組んだり主張しようとするが、他の児童の意見を尊重することはあまりできていないことがわかった。『児童』『他』が頻出したのはこれらの文章中に「他の児童」という語句が多く含まれていたからであった。『意見』もまた、「自分の意見」と「他者の意見」という語句が多く含まれていたので頻出したようだ。
 「自分の意見」について詳しく見てみると、自分の意見に理由を付けて話す場面が見られた。また、『児童』は意見を言う場面だけでなく、他の児童がしていることを見て自分(児童A)も真似をするというような同調行動がみられた。
 
 『発表』は大きく分けてグループ内での発表と全体での発表の2種類に分けられた。自分の意見を主張しているのは全てグループでの発表であった。全体での発表のときは発言はなかったが、積極的に人の話を聞こうという姿勢がみられた。『聞く』は発表のときの聞く態度の記述に使われており、話している人の方を向いて聞いていたり、聞いたことに対して反応することが多かった。しかし、「聞いているが〜」というように聞く態度ができていないこともあった。
 これらのことから、グループでの活動では積極的に参加し、自分の意見を主張しようとしているが、全体での活動になるとあまり能動的ではないことがわかる。また、にじうおの気持ちはポイントを押さえて考えることができていたが、人の意見を尊重する態度に欠けていることもあり、他者の立場になって考えるというこの回のねらいが達成できているとは言い切れないだろう。
 
 第5回では登場人物になりきってセリフを考えて演じる活動を行ったため『セリフ』とそれをワークシートに『書く』作業の2つのキーワードが多用されていた。
 
 
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