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Last Update:2016/2/23
2015年度 卒業論文
援助要請する人はどのように見えるのか
―評価する側の要因と評価される側の要因に着目して―
三重大学 教育学部 人間発達科学コース 64期 堤 あい
はじめに
人間は,互いに助け合い,協力し合って生きている。「助け合い」を促進させようとする時,「助けてあげよう」「優しくしよう」など援助者側の行動に着目されることが多い。学習指導要領においても,小学校指導要領・道徳に,他人とのかかわりについてのところで「親切にする」と書かれており,また中学校指導要領・道徳にも,他人とのかかわりについてのところで「思いやりを持つ」と書かれている。一般的には,援助というと助ける側の視点から考えがちである。しかし「助け合い」という言葉が相互支援や協力をイメージするとおり,もう少し分解して見れば,自分が他者を助けること(自発的な場合と,要請に応えての場合がある)もあれば,他者から助けてもらう,(他者に援助を要請することも含める)ことも想定しているわけであり,「助け―助けられる」という関係が構築されることを言う。奥野(2008)によると,「援助すること」と「援助されること」は表裏一体の関係にある。つまり,「助け合い」を促進するためには,「援助すること」ばかりではなく「援助されること」についても着目する必要があるのではないだろうか。
そこで本研究では,「援助されること」に着目し,特に,他者に「助けてください」とお願いする,つまり,援助要請する人(以下,援助要請者と表記)について検討する。援助要請者に自らがなる要因やならない原因などは調べられているが、援助要請者が他者の場合の研究はあまり行われておらず、どのように捉えられているかはわかっていない。よって,援助要請者に対する印象評価がどのようなものなのか検討する。その際,援助要請者側の要因である援助要請の内容,およびその妥当性,評価する側(第3者の立場としての評価者)の要因の援助要請スタイル,被援助志向性,対人志向性によって印象評価が異なるのかにも着目する。
援助要請について
印象評価について
仮説
方法
結果と考察
引用文献
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