4-1.自己呈示の概念について
自己呈示(self-presentation)は社会学者のGoffman(1959)が考え出した概念である。Jones(1964)は自己呈示の心理的な測面に着目し,自己呈示研究の理論的展望や多数の実験的研究を行った。それ以降,自己呈示についての研究が盛んに行われ,態度変容(Baumeister & Tice, 1984),原因帰属(Juvonen & Murdock, 1993),攻撃(大渕,1993),リーダーシップ(Leary, Rovertson, Barnes, & Miller, 1986),社会的促進(Bond, 1982),対人不安(Schlenker & Leary, 1982)など様々な社会心理学的現象との関連が示されてきた。自己呈示の定義については諸説があるが,栗林(1995)は「他者の自分に対する認知あるいは評価を統制するために,自己に関する情報を伝達しようとする意図を伴った行動」と定義している。
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