尺度は以下の3種類となる。 1.自己概念尺度 社会的向性、知性、誠実性、魅力性、強靭性の5つのカテゴリー分けによる各4項目づつ全20項目のSD尺度。意味が対になるように並べた形容詞について「現在の自分」に最もあてはまるのはどこかを5段階で評定させた。 2.抑うつ尺度 抑うつ状態に関する18項目尺度。この2週間の間で抑うつの状態と考えられる症状がどの程度起こったかを、「あてはまる」から「あてはまらない」までの4段階で評定させた。 3.自己に対する評価者選択とその選択理由に関する尺度 情報選択の傾向や自己確証的な行動が見られるかを測定するための尺度。Swann,Stein-Seroussi,&Gieslerの研究(1992)を参考に、被験者に対し否定的・肯定的な評価をしている者を例示し、どちらが自分にとってより気になる人物かを選択させる問題5題と、各評価者を選択したのはなぜかを、理由として考えられる6項目から「最もあてはまる」、「あてはまる」の2つまでを評定させた。評価者コメントは自己概念のカテゴリーを参考とした。また選択理由6項目は「自己確証」、「自己反証」、「自己賞賛」、「自己成長」、「評価者友好性」、「評価者知性」とした。 三重県南部中学校生徒を対象として、ホームルーム時間や授業時間を使い、11月下旬〜12月上旬にかけて実施された。最終有効回答者数は577名(男子281名・女子296名)であった。 |
評価者選択は、否定的評価者を選択している場合を1とし、得点化した(0≦値≦5)。 選択理由は、評価者選択に関わらず、各理由について、最もあてはまるを2、あてはまるを1とし、得点化した(0≦値≦10)。 ただし論理的におかしいと思われる以下の5つの選択については得点を無効とした。 ・ネガティブ自己概念であるのに、肯定的評価者を選択し、自己確証の理由を選択している場合 ・ポジティブ自己概念であるのに、否定的評価者を選択し、自己確証の理由を選択している場合 ・ネガティブ自己概念であるのに、否定的評価者を選択し、自己反証の理由を選択している場合 ・ポジティブ自己概念であるのに、肯定的評価者を選択し、自己反証の理由を選択している場合 ・否定的評価者を選択し、自己賞賛の理由を選択している場合 |