研究2 20代前半未婚女性のライフコースと結婚観に関する調査

目的

 研究1の結果から得た課題を受けて、就業・結婚・出産といった主なライフイベントに注目しつつ、これから社会に出て近い将来様々な人生の選択を迫られるであろう20代前半未婚女性が思い描くライフコースを探りたいと考える。そして「現代女性は、社会保障の改善や女性自身の意識の変化を背景とした社会進出の増加等に伴い、そのライフコースが多様化し、生き方の選択幅が広がった」ということがさかんに言われてはいるが、本当に現代の女性は新しく出てきた伝統にとらわれない自由で個人重視の生き方を望んでいるのか、実際に女性たちが描くライフコースには各々どのような背景が存在するのか、これらの真相をつきとめたい。そこから、現代の未婚女性が描くライフコースと結婚観の実態と傾向を提示することを、本研究の最終目的とする。



方法

1.面接協力者

 四年制大学4年の女子学生10名と、同世代の社会人女性10名の計20名を対象に@STC法による質問記入 Aライフコース図の記入 Bインタビューという計3種類の調査をこの順序で行った。対象は、研究1での課題を受けて出来る限り著者と面識のない者にするべく、著者の知り合いからその友人等を紹介してもらい、メールでの打診→依頼書の郵送(もしくは仲介者である知り合いに手渡ししてもらう)という流れに沿って本人に依頼し、承諾を得た。内訳はTable.3に記した通りである。

 

 

Table.3 調査対象者の概要(研究2)

番号

氏名

年齢

所属状況

予定進路

2-1

22歳

国立大学 4年 人文学部社会科学科行政法専攻

国家公務員U種国土交通省内定

2-2

21歳

国立大学 4年 工学部機械工学科

自動車会社内定

2-3

21歳

国立大学 4年 人文学部社会科学科地方行政専攻

公務員志望

2-4

21歳

看護大学 4年 看護学科

県看護士職員内定

2-5

22歳

国立大学 4年 生物資源学部遺伝子学専攻

大学院進学予定

2-6

21歳

国立大学 4年 教育学部社会科

県小学校教員内定

2-7

21歳

国立大学 4年 生物資源学部海洋学専攻

食品会社内定

2-8

22歳

国立大学 4年 教育学部音楽科

県小学校非常勤講師予定

2-9

21歳

国立大学 4年 生物資源学部森林学専攻

住宅関連会社内定

2-10

22歳

国立大学 4年 人文学部社会科学科法律専攻

国家公務員U種総務省行政評価職内定

2-11

21歳

化粧品販売員勤務4年目

来春退社後、カナダへ短期留学予定

2-12

22歳

雑貨屋勤務1年目

勤務続行予定

2-13

22歳

銀行員勤務2年目

早期退社希望

2-14

22歳

アパレル系販売員勤務2年目

勤務続行予定

2-15

22歳

私企業事務勤務2年目

早期退社希望

2-16

22歳

保育士勤務2年目

勤務続行希望

2-17

22歳

アパレル系販売員勤務2年目

近々他店へ異動予定

2-18

21歳

農協勤務4年目

勤務続行予定

2-19

21歳

フリーター勤務4年目(現在販売員)

福祉系職に就職希望

2-20

22歳

市内保育士職員勤務2年目

勤務続行希望

 

2.手続き

@SCT法による質問記入

 まず、面接の事前に郵送等の手段を使って、本研究の概要等を載せた説明書(資料B)とSCT法による質問記入用紙(「私は女性であることを」「私はこれから」「私にとって毛婚とは」という計3文につづけて、それぞれ10文を自由に記入してもらう方式)(資料C)をインフォーマントに渡し、SCT法による質問紙の回答を事前に行い、面接当日に持参してもらうようにした。

Aライフコース図の記入

 面接当日、これから行う作業の概要をインフォーマントに説明し、まず各々が思い描くライフコースを図示してもらった。実施時間は1015分程度である。

Bインタビュー

 本研究の概要、ライフコース記入欄と例が載せられた用紙(資料D)に各々のライフコース図を描いてもらった後、半構造面接を行った。インタビューはインフォーマントの都合や希望に合わせ、大学教育学部棟内の談話室・実験室やインフォーマントの所属する学部棟内の空き教室等、また喫茶店等で、プライバシーが守られるよう十分配慮した状況の中行われた。一人当たりの実施時間は4060分程度であった。

 手順としてはまずインタビューの前に、本研究の意図やこれから行う質問項目を載せた説明書(資料E)をインフォーマントに渡し、目を通してもらった。インタビューの際、話がそれないように基本的に提示した質問項目に沿って進めるという形を崩さない一方で、随時聞き加えた方が良いと判断されたことについては臨機応変に追質問していくことを心がけた。また予備面接(研究1)同様、インタビュー内容はテープに録音して記録した。その際、インフォーマントがテープの存在に気を散らさぬよう、テープレコーダー本体にカバーをかけて行った。(テープ録音については事前にインフォーマントの了解取得済み)

 説明書に載せた質問項目は、就業・結婚・出産・性役割・女性性に関する計8項目である。内容としては、いずれも伝統的・非伝統的性役割観、個人・家庭重視傾向をその回答からつかめるであろうものを想定し、決定した。(資料E)

 

結果と考察

1.分析手順の説明

@インタビューデータ、ASCT法データの分析は以下のような手順で行われた。

 

@インタビューデータの分析

(1)インタビューを全て文字に起こした。

(2)インタビュー記録を、伝統・非伝統志向と個人・家庭重視志向のいずれかにおける

一つの意見として、またそれ以外の就業・子ども・結婚・未来への展望・女性性に

対する一つの考えとして判断できる単位で分割した。

(3)分割したインタビュー記録をカード化し、その中から伝統的・非伝統的性役割観(女

   性・男性に対して固定概念を持った、またそういう考えに好意的な考え方/女性・

   男性に対して固定概念を持たない、またそういう考えに反発する考え方)に関する

   もの、また個人・家庭重視(結婚前後とも自分という“個”としての行き方を重要

視する考え方/結婚後、“個”としての自分よりも自分の所属する“家庭”を重要視

する考え方)に関するものを選択し、KJ法によって分類した。この作業は著者と

発達心理学専攻学部生(3年生1名、4年生7名)によって行われた。

(4)分類の際、評定者間でカード内容とカテゴリーが一致するかどうか検討しながら進

   めた。

(5)計4項目への分類終了後、著者と分類時に協力してもらった学部生のうち3名(3

年生1名、4年生2名)で、再度カード内容とカテゴリーにずれがないかどうかを

検討した。

(6)次に1カードを1ポイントとして、各インフォーマントにおける伝統、非伝統、個

   人、家庭ポイントを出し、そのポイント数の割合から、伝統的・非伝統的性役割観

   傾向、また個人・家庭重視傾向を判断した。(Table.4,Table.7

ASCT法データの分析

(1)事前に回答してもらった3項目(女性性受容、時間的展望(未来に対する期待)、結

婚観)についての回答記録を得点化した。ポジティブ内容(例:私は女性であることを得だと思う。/私はこれから楽しい人生を送るだろう。/私にとって結婚とは幸せになることだ。)+1点、ニュートラル内容(例:私は女性であることを日常生活ではあまり意識していない。/私はこれから様々な経験をするであろう。/私にとって結婚とは人生の分岐点である。)0点、ネガティブ内容(例:私は女性であることを面倒だと思う。/私はこれからどんどん悩みが増えていくだろう。/私にとって結婚とは一人の男に縛られること。)−1点とし、各項目につきMAX10点、MIN10点という形で行った。

(2)インフォーマントごとに、女性性受容得点、時間的展望得点、結婚観得点を算出し、

   1点以上の人をポジティブ傾向型、0点未満の人をネガティブ傾向型とした。0点

の人は特にどちらに偏ることもないニュートラル型とした。(Table.10

 

このような手続きによってそれぞれのデータを分析した結果、20名のインフォーマントが、非伝統的性役割観・個人重視、伝統的性役割観・個人重視、伝統的性役割観・家庭重視、非伝統的性役割観・家庭重視の4タイプに分けられ、それぞれ25%10%25%40%という割合で分散した。(Fig.1)また、各インフォーマントにおける女性性受容度、時間的展望度、結婚に対する期待度を得点として表したところ、20人中、女性性受容度MAX9点、MIN−2点、時間的展望度MAX10点、MIN1点、結婚に対する期待度MAX7点、MIN−1点という結果が得られた。(Table.10

 

2.伝統的・非伝統的性役割観

   はじめに、伝統的・非伝統的性役割観の各定義と、インフォーマントにおける伝統的・非伝統的性役割観に関する発言回数、及びその割合と各インフォーマントのタイプをTable.6に示した。さらに実際に20名のインフォーマントに見られた各項目に関する発言の回答例を示した。(Table.5,Table.6

 伝統的性役割観―“女は○○だ、男は○○だ”という固定概念を持った、またそういう考えに好意的な考え方。伝統的結婚観とそれ以外の伝統的性役割観の二つより構成される。(研究1)
非伝統的性役割観―“女は○○だ、男は○○だ”という固定概念を持たない、またそういった考え方に反発する考え方。非伝統的結婚観とそれ以外の非伝統的性役割観の二より構成される。(研究1)

 

  

Table.4 各インフォーマントにおける伝統的・非伝統的性役割観傾向

番号

氏名

伝統回数

割合

非伝統回数

割合

回数合計

性役割観タイプ

2-1

5

29.41%

12

70.59%

17

非伝統

2-2

9

26.47%

25

73.53%

34

非伝統

2-3

12

46.15%

14

53.85%

26

非伝統

2-4

14

53.85%

12

46.15%

26

伝統

2-5

5

45.45%

6

54.55%

11

非伝統

2-6

15

57.69%

11

42.31%

26

伝統

2-7

8

61.54%

5

38.46%

13

伝統

2-8

4

50.00%

4

50.00%

8

非伝統

2-9

8

42.11%

11

57.89%

19

非伝統

2-10

18

75.00%

6

25.00%

24

伝統

2-11

9

56.25%

7

43.75%

16

伝統

2-12

3

23.08%

10

76.92%

13

非伝統

2-13

8

80.00%

2

20.00%

10

伝統

2-14

15

78.95%

4

21.05%

19

伝統

2-15

1

7.69%

12

92.31%

13

非伝統

2-16

4

28.57%

10

71.43%

14

非伝統

2-17

4

16.67%

20

83.33%

24

非伝統

2-18

5

41.67%

7

58.33%

12

非伝統

2-19

14

48.28%

15

51.72%

29

非伝統

2-20

1

12.50%

7

87.50%

8

非伝統

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

Table.5 各インフォーマントにおける伝統的性役割観に関する回答例

結婚について

・結婚は家に入ることだ。             ・女は結婚するものだ、結婚して当然だ。

・女の幸せは、結婚して幸せな家庭をつくることだ。 ・結婚は縛られるものだ。

・家事や育児は女性がするものだ。         ・結婚は安定感を得るものだ。

・結婚後、夫は外で働き、妻は家庭を守るものだ。  ・子どもを持つなら結婚するべきだ。

・離婚するのは勇気がいる。

女性性・男性性について

・女は男を立ててあげるものだ、立ててあげたい。  ・女は頼れる。 

・「○○の妻、お母さん」と呼ばれることに抵抗はない。・保育士・看護士・小学校の先生は女性向きの職業だ。

・男は働くものだ、家族を養うものだ。       ・女性には母性がある。

男は自由だ。                  ・子育ては女性しかできないものだ。

・男は性格がサバサバしている。          ・男女には差がある。

・男は女を外見で判断するものだ。         ・女の幸せは子どもを持つことだ。

・女は尽くすものだ、尽くしたい。         ・(妻が仕事)専業主夫には抵抗がある。      

・男の子の方が母親思いだ。            ・男性の方がやらなきゃいけないことがたくさんある。

・日本人は性別に対して細かい。

・女らしさを持つことはよいことだ、女らしさは利用するべきだ。

・私は性役割に対して結構古い考えを持っているかもしれない。

・男は、「男が女を守らなくては、女は結婚するのが当然だ」と考えているものだ。

 

  

Table.6 各インフォーマントにおける非伝統的性役割観に関する回答例

結婚について

・主婦業も仕事も男女一緒に(男女平等に)やればいい・結婚相手は家事・育児は平等と思ってくれる人が理想だ。

・養子縁組というのも賛成だ。           結婚して家庭だけという状態は無理だ。

・妻が外で働き、夫が家庭を守ってもいいと思う。  ・結婚(だけ)が女の幸せではない。   

・子どもがいなければ、離婚してもいいと思う。   ・結婚は女の幸せとは限らず、男の幸せでもある。

・結婚は受け身ではない。

・「夫が外で働き、妻が家庭を守る」という状態の方が幸せとは必ずしも言えない。

・結婚後、女であっても仕事を持ちつづけてもいいと思う、色んな社会を見ていいと思う。

・家事・育児は男女で分担するべきだ。…完璧に分担と、男:女=3:7という二つの意見があった。

・仕事・主婦業に関して、各家庭に合った形をとればいいと思う。…その方が子どもも幸せだという意見もあった。

・「結婚後、夫は外で働き、妻は家庭を守る」という状態に自分はなりたくない。

・「結婚後、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と夫に思われる、言われるのは嫌だ。

・「結婚後、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考え方は堅い、古い。

・妻は必ずしも家庭を守らなくてはいけないとは思わない、思いたくない。

女性性・男性性について

・頼られる女性・強い女性になりたい。       ・女性だから子どもを産みたいという気持ちはそんなにない。

・尽くしたいという気持ちはない。         ・女らしさを利用したくない。

・性別を意識したくない。             ・性別を意識しない。

・男女平等がいい、夫(男)と対等でいたい。

・社会的にも認められたい、社会的にも男の人に負けたくない。

・「女だから」という目で見られたり、言われたりするのは嫌だ、疑問を感じる。

・自分の地位を確立することは、女性にとっても男性にとっても幸せであり得る。

 

  

3.個人・家庭重視

   次に、個人・家庭重視の各定義と、各インフォーマントにおける個人・家庭重視に関する発言回数、及びその割合と各インフォーマントのタイプをTable.7に示した。さらに、実際インフォーマントらに見られた各項目に関する回答例を示した。(Table.8,Table.9

個人重視
―結婚前後ともに自分という“個”としての生き方を重要視する考え方。(研究1)


家庭重視
―結婚後“個”としての自分よりも、自分の所属する“家庭”を重要視する考え

     方。(研究1)

 

  

Table.7 各インフォーマントにおける個人・家庭重視傾向

番号

氏名

個人回数

割合

家庭回数

割合

回数合計

重視タイプ

2-1

8

88.89%

1

11.11%

9

個人

2-2

9

90.00%

1

10.00%

10

個人

2-3

7

70.00%

3

30.00%

10

個人

2-4

6

46.15%

7

53.85%

13

家庭

2-5

2

16.67%

10

83.33%

12

家庭

2-6

8

66.67%

4

33.33%

12

個人

2-7

3

30.00%

7

70.00%

10

家庭

2-8

0

0.00%

6

100.00%

6

家庭

2-9

8

42.11%

11

57.89%

19

家庭

2-10

10

58.82%

7

41.18%

17

個人

2-11

6

40.00%

9

60.00%

15

家庭

2-12

11

45.83%

13

54.17%

24

家庭

2-13

2

15.38%

11

84.62%

13

家庭

2-14

2

22.22%

7

77.78%

9

家庭

2-15

3

75.00%

1

25.00%

4

個人

2-16

1

12.50%

7

87.50%

8

家庭

2-17

14

70.00%

6

30.00%

20

個人

2-18

5

41.67%

7

58.33%

12

家庭

2-19

4

21.05%

15

78.95%

19

家庭

2-20

3

37.50%

5

62.50%

8

家庭

 

  

Table.8 各インフォーマントにおける個人重視に関する回答例

・家庭(家事・育児)に縛られたくない。      ・自分の時間がほしい。     

・キャリアウーマンに憧れる。           ・結婚して仕事をやめたら手持ち無沙汰になる。

・結婚によって自分一人の空間がなくなるのが嫌だ。 ・自分の世界・社会との接点を持っていたい。

・(子どものためにも)子どもにべったりにはならない。・自分一人でも生きていけるようでありたい。

・せっかく叶えた夢(仕事)をあきらめられない、やめるのはもったいない。

・両親もずっと働いているので、働くのが当たり前。「結婚によってなぜやめなければないの?」という思いがある。

・自分の幸せ・打ち込めること(仕事など)がその時点であったら捨てられないかもしれない。

・自分一人だったら結婚しなくても構わない。(親の存在・希望が大きい)

・専業主婦になることでできる自由な時間を自分の好きなように使いたい。

・独身時代をもっと楽しみたいから結婚・出産を先延ばしにする。

・主婦より仕事を続けている人の方が自分をキレイにしていられると思うから、仕事を持っていたい。

・自分のために生きたい。(生き方として)やりたいことをやりたい。

…でもちょっとだけ寄りかかりたいという意見もあった。

・(結婚・出産しても)とにかく仕事をつづけたい。

…そのために育児休暇・保育園などの施設・親の支援を利用するという意見もあった。    

 

Table.9 各インフォーマントにおける家庭重視に関する回答例

・結婚して、(温かい)家庭・家族を作りたい。     ・家庭を持っているならば、自分の好き勝手はできない。

・子どものために家にいてあげたい。         ・子どもは自分で育てたい。

・家庭に入らなきゃいけないときもあると思う。    ・子どもの幸せは自分の幸せだ。 

・家族の幸せは自分の幸せでもある。         ・(自分のことよりも)子どもが一番大切。

・子どもができたら、(仕事を辞めて)子どもを優先する。・旦那さんを(一番)大切にしたい。     

・キャリアウーマンを通したいとは思わない。     ・子どもと旦那さん両方を(一番)大切にしたい。

・結婚後、仕事を続けるか否かは相手の考え次第である。・結婚相手には、家庭・子どもを大切にしてほしい。

・(家族のことを考えて)再就職は正規ではなくパートを選択する。・結婚後の仕事は、お金のためだけにする。

・自分の幸せ(仕事)と家族の幸せだったら後者を選択する。

・自分の幸せを求めて家族を失うのはリスクが大きい気がする。

・全部ちゃんとこなしたい性格なので、仕事で主婦業がおろそかになるのは嫌だ。



4.20代前半未婚女性の性役割観・重視別タイプ

   以上のようなカテゴリー同士の組み合わせでタイプ分けすると、20名のインフォーマントがそれぞれ4タイプに分けられ、その内訳は非伝統的・個人重視タイプ型が5名(大学生3名、社会人2名)、伝統的・個人重視タイプ型が2名(大学生2名)、伝統的・家庭重視タイプ型が5名(大学生2名、社会人3名)、そして非伝統的・家庭重視タイプが8名(大学生3名、社会人5名)という結果となった。(Fig.1

 

 























 

Fig.1 20代前半未婚女性の非伝統的性役割観傾向と個人重視傾向



5.20代前半未婚女性の女性性受容度・時間的展望度・結婚に対する期待度

   次に、SCT法によって得られた20名のインフォーマント各々の女性性受容度(女性という自らの性をどれだけ受け入れられているか)、時間的展望(未来に対しての期待度)、結婚観(自分にとっての結婚のイメージ)における得点を算出すると、以下のような結果となった。(Table.10)0点を基準とし、1点以上をポジティブ傾向、0点未満をネガティブ傾向とする。つまり点数が高いほどその項目についてポジティブに捉え、逆に低いほどネガティブに捉えていると言える。

Table.10 女性性受容度・時間的展望度・結婚に対する期待度得点

番号

氏名

女性性受容得点

時間的展望得点

結婚観得点

2-1

4

3

3

2-2

1

1

6

2-3

3

7

1

2-4

-2

3

5

2-5

4

2

-1

2-6

0

2

3

2-7

6

7

3

2-8

4

6

6

2-9

3

2

3

2-10

9

4

1

2-11

4

10

0

2-12

-1

4

5

2-13

2

10

2

2-14

2

8

7

2-15

3

2

0

2-16

*

*

3

2-17

4

8

5

2-18

*

6

*

2-19

2

1

5

2-20

1

4

2




※ *は規定回答数(10個)を得られなかったため、欠損値扱いとした。

 

平均

 

2.72

4.74

3.11




 

6.インフォーマントの分析

   面接時のインタビュー内容を録音したテープを文字に起こしものをもとに、就業・結婚・出産などの主要なライフイベント、また性役割・女性性に対する考えという視点から、各インフォーマントの性役割観・重視傾向を検討した。その結果インフォーマントは各々4タイプに分けられ、各タイプには以下のような特徴が見られた。

 

 

非伝統・個人重視タイプ 25%(大学生3名,社会人2名)

<個人重視>

  “自分一人でも生きていけるようでありたい”

「・・・だから働くことは重要だよね。働けば自分で生きていけれるっていう感じかな。確かにお金もぶっちゃけ大事かも。早く自立したいっていうのかもしれん。」(Aさん)

「(働くことは私にとって)自立するみたいな。一人でも生きていけるように。結婚はしたいんだけど、あんまり旦那さんに頼るのもよくないかなぁって。」(Cさん)

 

“自分のしたいように生きたい”

やりたいことをやる、だね。自由奔放っていうほどでもないけど。」(Aさん)

「夢を諦めずにやりたいことをやっていきたい。自分勝手な考えだけど。・・・自分の可能性を信じたい。・・・出産にしても仕事にしてもしたいことをする。」(Qさん)

「やっぱりやりたいことやりたいかな。・・・(これからの人生)ただ単に自分のやりたいことをやるって感じかな。」(Oさん)

 

“ずっと仕事を続けていきたい、何よりも仕事が大切”

「公務員になったら長いこと働けるかなと思ってたのと・・・できれば、一生続けられたらいいなぁと思って・・・妻か母親を選ぶ時はたぶん仕事をやめるときやな。たぶん自分の仕事が基本かな。」(Aさん)

就職はずっと続けていく、たぶんやめれない、やめられない、やめない。自分のために。」

「「女は家庭に入れ。」と言うならば、私はその人とは結婚しない。・・・だから仕事はやっぱり続けたいなぁと思う。結構自分の中で仕事は大きい。」

「「○○さんのお母さん。」とか呼ばれるのはあんまり。嫌かもしれない。」(Bさん)

「(公務員の)勉強して試験に受かって入ってるから、もったいない感じがしちゃって・・・」

結婚・出産しても仕事を続けたいっていうのは、たぶん自分のため。結婚してずっと家にいると所帯じみるのはちょっと避けたいと思うし。社会と接点はほしいかな。」(Cさん)

「絵なしで専業主婦だけは、自分が続かないと思う。・・・普通の主婦にはなりたくない。子どものために、夫のために、というのだけでは嫌だ。」(Qさん)

「自分は動きたい人やで、ずーっと家におると嫌やで、仕事じゃなくてもやりたいこととかで家にはおらんと思う。」(Oさん)

 

“キャリアウーマンへの憧れ”

「もし国家公務員だったら、独身も考えてた。国家公務員ならお金も結構稼げるから、別に困らないかなと思って。私は仕事を生きがいにして生きていけるかもしれないと思って。キャリアウーマンに憧れがあったかも。」(Cさん)

 

“専業主婦をすることで自分の時間を持ちたい”

「・・・主婦だったら時間はいっぱいあると思うから。自分のやりたいことをやるために、専業主婦をする。自己中的な考えだけど、本音かな。」(Qさん)

 

<非伝統的性役割観>

“家事・育児は分担したい”

「家事とかはやりたくないけど、やらざるを得ないっていうイメージがある・・・家事と育児は平等に分担が理想かもしれないけど、それに近いほどいいよねと思う。」(Aさん)

家事とか育児とかも手伝ってもらえるようなふうになってほしい・・・ほんとにそれは思うし。家事や育児は分担したい。」(Bさん)

「できれば分担。全く平等にはいかないと思うから、7私がやって、3手伝ってもらうみたいな。育児は子どもが小さい時にはもうちょっとやってほしいかな。」(Cさん)

家事や育児は分担がいいね・・・ちゃんと絵の活動してたら、分担を少しはしてほしい。こうなるかもしれないと思う。・・・生活が一番成り立ちやすり形で生活していけばいいと思う。(夫は外で働き妻は家庭を守る)こういう考え方を相手が持ってたら嫌だね。」(Qさん)

「仕事をしてるうちは家事は平等。・・・妻だけじゃなくて、夫婦で家庭を守るべきだと思う。・・・その時々。どっちかが料理したらもう一人が片付けとか。」(Oさん)

 

“同居は反対”

「(同居)イメージ的にあんまりって感じがする。自分の親だったらずっと一緒に住んでたし遠慮なくいけると思うけど、人の親って知らないしなぁ。」(Aさん)

「さざえさんちみたいな、家族がいっぱいいる家にも憧れてて、結婚後にそうなりたいなとちょっと思うけど、相手の親との同居は嫌だなとか。わがままだよね。」(Cさん)

「同居はしてもしなくてもどっちでもいい。・・・必ず家に入れと言われるのは嫌。」(Qさん)

「結婚するなら次男坊とかがいいし、絶対別居がいいし。冠婚葬祭が楽なところ。絶対別居がいい。子どもが小さい時でも見てもらわない。」(Oさん)

 

“結婚後夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだという考え方に反対”

「家庭を守るべきだっていうところに嫌な感じがする。・・・女やでどうって言われてもねぇって思う。夫も妻も守るべきだっていうふうであれば別に文句はない。片方に押し付けちゃだめだね。」(Aさん)

古い。古いね。もう信じられないっていう…」(Bさん)

「私は反対です。こうなるとすごい亭主関白っていうイメージがあって、奥さんを何だと思ってるんだって感じがしちゃう。夫も妻もどっちもっていうのがいい。…まかせっきりにしないでほしいなって思う。私は抵抗が強い。」(Cさん)

「夫が外で働く必要もないと思うし、妻は家庭を守るものって決まったものではないと思うし。それぞれのもっといいやり方ってあると思うし。私はそうなりたくはない。決めずに二人でやればいいことだと思う。」(Qさん)

 

“結婚・出産願望が強くない”

「・・・絶対何歳までにとかはないな。卒業してすぐとかは考えられない。まだまだ人事っていう感じがある。・・・今は仕事したいから。」

「あんまり夢見がちではないな。結婚に対する憧れの面では、現実的。」(Aさん)

「今の人じゃなければしたくないと思うかも。独身でいいと思う結婚だけはして子どもは産まないとかそんな感じかな。」(Bさん)

「私が最初から本当にやりたい仕事をやってたら、たぶん結婚は考えてなかったと思う。仕事続けたいと思うだろうから。子どもはほしいとは思ってももってなかったと思う。そんなにいいかげんに片親で育てるわけにはいかないと思うし。」

「仕事で成功してたら誰も結婚なんてあんまり考えないと思う。」(Qさん)

「今「結婚して。」て言われてもやっていく自信ないって思うし、この人とずーっと一緒に子ども産んでやっていくのかって思うのも嫌やし。」

女の幸せが結婚とは言えないなんで結婚するのかもわからんし。結婚=幸せっていうふうになりたい。願望。」(Oさん)

 

“結婚は受け身ではない”

結婚するって受け身じゃないと思う。もらってもらうっていう感じが昔からあるけど、女の人ってそういう立場じゃないと思う。もらってもらうって違う気がする。何が違うかっていうとわからないけど、納得できない別に家に入る必要もないし。」(Qさん)

 

“未婚の母も賛成”

「・・・やっぱり結婚しないでも子どもはほしいかな。・・・養子縁組も、育てていける自信があればアリかもしれないと思うけど。」(Cさん)

 

“女のくせに・女だからと言われたくない、社会的に認められたい”

「・・・女のくせに大学まで行ってどうするんやって、直接ではないけど言われたことはある。そんなの関係ないしって思った。」

「・・・女のくせにとか言われないような感じかな。職場でも女だからお茶出しといてって言われてもえぇ(キレ気味に)ってきっと思う。自分でやれよみたいな。」(Aさん)

男の人には負けない!っていう気持ちがすごく強くて。どうして対等じゃないんだろうって思うことがすごくいっぱいあって。・・・同じ事を勉強しているはずなのに、同じ見方をしてくれない・・・「女の子だからね。」て言われることがすごく多くて、それが悔しくて・・・対等でない部分を埋めるために何かしなければ。っていう意識の方が強い。」

「「残業とか普通にあるけどそれも構わないんだね?」て。聞かれる時点でおかしい!なぜ聞く?って思ったし。」

「・・・「女の子だから話にならないね。」って一蹴されちゃうのはちょっと嫌で。・・・例えば「体力ないから持てな〜い。」とか・・・それは嫌だけれども。」

「・・・負けたくないし、・・・自分でどこまででできるか、どこまで近づけるかっていうのをやっていこうかなぁって、就職して働いて。できることならばやっぱり総合職で入ったんだから、キャリアアップしたいし。今その会社には女性役員が1人しかいないから、もっと役員増やしたいなぁって思って。自分がそこに入っていくっていう感じ。」(Bさん)

「あんまり「おしとやかに、はしたない。」とか言われると嫌かなぁ。・・・あんまり女だからってバカにされたくはないね。」(Cさん)

弱い女として見られるのは嫌。自分は弱いことをあんまり認めたくない。・・・常に対等でありたいと思う。・・・あまり媚びてはいたくない。夫のためにとか。」(Qさん)

「電話、お茶出しもなんで女がせなあかんの?って思うし、男の人も「お茶入れて。」とか言うで、「自分でやってよ。」て感じ。」

下にはなりたくない。「○○してよ。」とか命令されてやりたくない。・・・自分を磨きたい。独立みたいな。・・・頼られる女性になりたいの。とりあえず立場が平等。自分は仕事ができる人になりたいの。認められたいって感じ。・・・男の人とも対等にしゃべりたいし。何を言われても反応するところは反応したい。・・・強い女がいい。」

女性だからっていうふうに見られたくない。」(Oさん)

「女であっても認めて欲しい・・・仕事もある程度やりたいことで認められたい。・・・頼ってばかりで生きたくないと思う。社会に認められたいというのはある。」(Qさん)

 

“女性としての良さをもっとよい形で認めてほしい”

「就職先で「君の考え方はなかなか男性になくて面白い考え方だから。」ていう認められ方はすごく嬉しい。自分が切り開いた感じ。女性らしさを認められるっていう・・・他の人にとっても門戸が開くっていうのが、なかなか「あ、これは幸せだ!」って思う。女の人の道を広げる例えば、ちょっとだけね、きっかけみたいになれば・・・」(Bさん)

「会社に彩り、例えば取引先と仕事をしていて、女の子がいる方が話しやすいからっていうことでついていくのは別に構わないし。それは私も何か力になってるわけだし。・・・いい感じで認められるのは大歓迎。」(Bさん)

 

“性別を意識しない、したくない”

男やから女やからって言いたくない・・・」(Aさん)

「自分の地位を確立することは、私にとって幸せだけれども、これは女性としてではなく、男性でもありうることで。」(Bさん)

女性として男性としてとかあんまり考えたことない。」(Qさん)

 

仕事への執着心が非常に強いという印象を受けた。就業を継続するために、育児休暇の取りやすい公務員を選択したり、近隣に住む親や保育園などの施設の援助を期待しているようだ。社会的独立・自立を望む思いが強く、それを果たす手段として就業は欠かせないと考えているようだ。出産や就業を含み、人生全般において“自分の思うがままにする”という姿勢を取っているように見受けられた。就業継続の背景には、社会的・経済的自立欲求、また家庭という枠に収まらず社会とのつながりを常に持っていたいという思い、また難関試験を突破して得た職種の場合、その地位を逃すのが惜しいという気持ちが潜む場合もあるようだ。また女性としての自分を廃れないようにするための手段として、就業を取る場合もあると見られる。

また、結婚はせず恋人はいるというキャリアウーマンの生活に憧れる場合、それでいいという男性がいるかどうかは疑問、という思いを同時に持っていた。また憧れはするが、実際に貫き通しているモデルが身近にいない故、自分にその道を選択する勇気はないのが現実のようだ。またこのタイプに属するインフォーマントのうち、専業主婦を希望する一見家庭重視志向と取られがちなケースがあったが、これは、専業主婦=自分のための自由な時間というイメージを持ち、自分の幸せを求めるが故にあえて専業主婦を望み、就業を辞めて養われ立場になることによって生まれた時間の中で、一般的な就業に代わる趣味的な活動で充足感を得ようとするケースである。

さらに自らの仕事に重点を置いた生活を送るため、主婦業の分担は欠かせない。しかし理想は完全な平等だけれど、3割手伝ってもらえればよしとするというところがあるようだ。分担願望は仕事を継続したいという思いが強いほど、それに伴って強くなるように思われる。また、主婦業の分担においては各家庭に合った方法を見つければよいと見方もあった。相手の両親との同居については、他人と暮らすことへの抵抗を感じる半面、育児を手伝ってもらえたらいいなぁという期待も持っているようだ。気の合う人であればいいが、それを見極めるのも難しいとしている。また、同居は親に安心感を与えるためでもあるという捉え方もあった。

“結婚後夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ”という考え方については、大半のインフォーマントが古く現代にそぐわない考え方であると否定的に捉え、特に“妻は家庭を守るべき”という後半部分に注目し、女性だけに家庭のことが圧し掛かることを懸念する声が多かった。しかしその中で前半部分にも目を向け、仕事と主婦業を男女で分けてしまうこと自体が問題であるという意見があった。つまり、それぞれに合ったやり方で処理すればよいという新しい提案が見られた。 

結婚というイベント自体に対しては、年齢的にも、社会経験の豊富さ的にもまだまだ実際問題の話としては実感持って受け止められないのが現状のようだ。また親の結婚生活の影響から結婚に対してシビアなイメージを持つゆえ、結婚をプラスイメージとして結び付けにくいというケースも見られた。結婚以前に、まずは仕事で成功し、自分で納得を得ることが先決であるというのが大半のようだ。結婚というよりは子どもが欲しいという願望が強いため、養子縁組という手段も選択視野に入りつつあるという現状を示唆する回答も見られた。女性性に関する回答は非常に多かった。社会的に男性と対等でないことに疑問を持ち、負けたくない!自分で女性の道を切り開いていきたいという強い思いを持つ人もいた。性別に関しての出来事に不快感を覚えない人は、もともと性別という視点を意識していない人も含まれることが分かった。

 以上のことより非伝統・個人重視タイプは、仕事を含め自分のやりたいことをやるという姿勢を常にとり、従来の結婚観や性役割感に反発を感じ、さらにそれらの固定概念を打破し、新しい女性イメージや結婚観を作り上げていきたい願う最も現代的な志向性を持つタイプである言えよう。

 

 

伝統・個人重視タイプ 10%(大学生2名)

<個人重視>

“結婚をしてもとにかく仕事を続けたい”

「(結婚しても仕事は)絶対続けたい。・・・今は仕事に対する夢が大きい。だから仕事で安定するまでは結婚とか考えられない。」

「子どもができたことでやめたっていうのだと、絶対教師に対して未練が残ると思う。だから自分が納得いくまではやりたいな。」(Fさん)

働くことは絶対に続けたいなと思っていて、働くことは私が生きていく上でこれからずっとしているものと思っていて、やめるつもりがないので。そこには大変だけどやりがいがあるものだと思っています。・・・(キャリアウーマンという道)前ちょっと憧れてて。」

「・・・でも子どものために仕事をやめようとは考えないです。・・・その方が絶対収入的にも安定すると思うし、外に出て行く部分があった方が、こもりっきりになってノイローゼみたいになるよりは、外の時間も作って自分をちゃんと持っていることが子どもに対してもストレスなく接することができるかなと。」

「仕事を持ってそれなりに身なりもちゃんとしてる方が、生き生きと人生を送れるんじゃないかなと思って。・・・(ずっと続けられる)公務員を選んだ。」(Jさん)

 

“自分一人でも生きていけるようでありたい”

「(結婚によって)自分がちょっと弱くなってしまう気がする。・・・頼れるのが失うことでもある。自分一人でも生きていける人でありたい。」(Fさん)

自分の人生を人に託すっていうのはあまりしたくなくて。だから仕事をしていればどんな人生でも選択できると思っているので。・・・続けられる仕事をして、自分の人生の選択の幅は増やしておきたいかなって思う。」(Jさん)

 

<伝統的性役割観>

“女性の幸せは子どもをもつことだ”

女性にしかできないのは子ども産むことだし、幸せじゃないかなぁと思う。・・・せっかく女に生まれたから、子どもは産みたいとは思う。」(Fさん)

    「(出産)そういうのも幸せかなと。・・・(子どもは)絶対いた方が幸せじゃないかなぁって思います。」(Jさん)

 

“女らしさを持つことはよいことだ、またそれを利用すべきだ”

「女の子っていう目で見られのが嫌と思う気持ちもない。それはそれで嬉しいかな。・・・女らしさはいいなぁと思う。自分にはあんまりないから、いいよなぁそういうのを持ってる人は素敵やなぁと思うよ。・・・自分が全然女の子っぽくないから、すごい女の子っぽい人には憧れる。おしとやかで声も高くて、きれいな子はええなぁと思う。」(Fさん)

 

“女性は尽くすものだ、尽くしたい”

旦那さんのことも支えられる人で、それで旦那さんが幸せになってくれたら、女性としてはすごく嬉しいと思うし。」(Jさん)

 

“小学校の先生は女性向きの職業だ”

小学校の先生は女の方がいいけど企業とかだったら女の人は無理だと思うし。」(Fさん)

 

“男性は働き家族を養い、女は主婦業をするものだ”

「就職でも、女の人はどこかで結婚したらやめれるっていう思いがあるけど、男の人はやっぱり稼がないとっていう気持ちがあるから、大変。」(Fさん)

家族を将来養うためにはなにがなんでもいい就職ってなっちゃうから、道が一本しかない。それに比べて女の人は収入はそんなになくても趣味を生かした仕事とかしたい場合もやりやすいかなって。家族を養うっていう重荷は女性にはあんまりないと思うから。選択はすごくできていいと思う。」

妻が外で働いて夫が家庭を守るっていうのは嫌かも。夫も仕事は頑張ってほしい。専業主夫っていうのはちょっと。・・・結構古い考えかも。」

育児は母親の果たすものが大きいと思うから、全てを平等に分担とは思ってない・・・」(Jさん)

 

“結婚=家に入る”

「結婚は自分が家を出て、その人のところに行くっていうか、お母さんになるイメージ。主婦業もこなすイメージ。今まで自分のことだけしてたのを一緒にやっていかなあかん

  (Fさん)

 

「(夫から「お母さん」て呼ばれることに)抵抗はたぶんないと思う。」(Jさん)

 

  2名という4タイプのうちで最も構成人数の少ないタイプであったが、2名とも既に内定の決まった大学生で、就職に関しては両者とも難関試験突破の末に勝ち取った希望通りの就職先ということで、仕事に対して非常にやる気と期待をもっていた。そのため、就業継続願望は非常に強かったと言えよう。また、現在決まっている職場に一生勤めたいという思いが強いため、現在もこれからも“仕事が生活の基本”というスタンスを崩さなかった。仕事に対する期待度が非常に高いので、どんな状況になろうとも他者に頼らず自らの経済力だけで生計を立てていける状態にしておきたいという意識を持っているようだ。しかし、結婚後の就業継続は強く望んでいるものの、一人で生きていく準備はあくまで準備であって、実際にキャリアウーマン的な道を歩みたいとは思っていないようだ。その裏づけとして、女性の幸せは子ども持つことであるとし、自らも女性として生まれたからにはぜひ子どもを産みたいと強く望んでいるようだ。また、女性らしさというものも比較的肯定的に捉え、夫に尽くすことを幸せと感じ、「男は働き、女は家庭を守る」という従来の結婚観も肯定的に受け入れている傾向が見られた。むしろ「専業主夫」という言葉を受け入れ難いとする発言も見られた。このように伝統的・個人重視タイプは、職業人として自らの生き方も求めつつ、結婚や性役割に関しては従来の伝統的な考え方を比較的肯定的に受け入れるスタンスを持つタイプであると言えよう。

 

 

伝統・家庭重視タイプ型

<家庭重視>

  “子どもができたら子どもを優先する”

  「妻、母親、職業人としての自分だったらどれを大切にしたい?―仕事はまず違う。妻かな。子どもを育てるのが夫婦が仲良くないといけないかなぁ。まず一番大事だと思うし。子どもができて子ども中心の生活してもいい・・・」(Gさん)

  「妻、母親、職業人という自分の役割のうち、どれを大切にしたいですか?―この時(子どもができたら)になったら、母親かな。」(Kさん)

  「子どもができたら(仕事は)やめるつもり。」(Nさん)

 

  “(自分のことよりも)子どもが一番大切”

  「(結婚後の仕事)数を減らすとかして。パートになりますね。・・・ライフイベントとしては大きくならずにしたい。」

「子どもをかわいいと思えて、過干渉にもならず、放棄もせず、適度な母親になりたい。」(Dさん)

「(子どもが)小学校くらいまでは家にいてあげたい。」(Gさん)

  「人生80年と考えたら、いっしょにおれるのなんて20年くらいやから、仕事はして外に出て行きたいけど、小さい時は一緒におりたい。自分の手で育てたい。」

「子どもが寂しい思いをするってなったら、仕事をパートとかに変えたりするかな。」

「(結婚相手には)ちゃんと子どもと遊んでほしい。子どもと関わって・・・」(Kさん)

「子どもが小学校に行くまでは一緒にいてあげたい。・・・(最近子どもが生まれたお姉さんから)子どもの成長を見て、「ああいうことできるようになった。」とか報告されるんで、ああいうちょっとした喜びっていいなって思って。上の子が最近しゃべれるようになって、そういうしゃべれるようになった歩けるようになったとか自分で自立して色々やっていけるようになるのを見てる過程がいいですね。]

  「同世代の子はまだお母さんになるのって面倒臭いで嫌やなって言うんですけど、私は結構お母さんになるのって憧れるんですよ。」

  「母親中心になるような気がする。やっぱり旦那さんは二の次なるかな。手がかからないと放っておくようになるかなって。それよりは子どもの方が気になるかな。」

「やっぱり家に帰ってごはんはちゃんと作ってあげたいし。・・・やっぱり家に帰ってお母さんがおかえりって言うのっていいなぁと思っていて。子どもにご飯作らせたり負担になるのもかわいそうかなと思って。・・・自分の子どもには一緒にいる時間を作ってあげたい。」(Mさん)

  「(結婚しないでキャリアウーマンとして一生を通すという生き方)私は考えられんな。たぶん、基本的に働くことがあんまり好きじゃない。今は楽しいで。まぁ困難はあるけど、楽しいけど、一生続けていこうとはあんまり思わんでなぁ。やっぱり子どもが欲しいていうのがすごい強いでなぁ。「やっぱ結婚かな。」て思う。」

  「(家にずっといること)子どもいてたら全然いい。」(Nさん)

  

“(自分より)家族の幸せを優先する”

「家族の幸せか自分の幸せといったらどちらをとりますか?―家族の幸せ。」(Dさん)

「家族と自分の幸せだったらどっちを取りますか?―家族の幸せ。」(Gさん)

自分と夫婦、家族単位を中心に生活したい。」(Gさん)

家事をメインにしたいから、パートはそこそこでいい。」(Gさん)

「家族の幸せか自分の幸せかといえばどちらを取りますか?―たぶん子どもができたら絶対家族。」(Kさん)

家族が幸せだったら自分の幸せにつながるような気がするから、とりあえず家族の幸せを優先するかな。」(Mさん)

 

  “結婚して家庭・家族をつくりたい”

  「(結婚によって)得るものは新しい家族がいっぱい増える」(Dさん)

  「結婚して、もちろん子どもも欲しいし、いい家庭を。」(Kさん)

  「(結婚して家族のようになっていくこと)それはそれでいい意味で言えば安らぎになるだろうし」(Kさん)

 

  “結婚後に仕事を続けるか否かは相手の考え次第”

  「彼氏さんが地元が名古屋の人で、もう就職は名古屋でって決めてるのね。だから「じゃあついてくわ。」て。それでもう仕事は二年後か、やめて、名古屋行って、うちはもう週3、4回とかのバイトとかして、家事とかにまわる仕事は今より減らす。結婚の準備準備。」(Nさん)

  「うちは仕事してもせんくてもどっちでもいいねんな。(相手の意向次第)」(Nさん)

 

  “(一番)旦那さんを大切にしたい”

  「一緒に住んでるだけだったら、ちょっと放っておいて遊びに行ってもいいかなって思うけど、結婚すると相手がかわいそうかなって思っちゃう。」(Gさん)

  「やっぱり一番長い時間一緒にいる旦那を大事にしていきたい。・・・うちがお母さんが旦那を大事にしてるから、それを見ていいなぁって。」(Gさん)

  「たぶん結婚してもずっと仕事を続けないのはメインは旦那になると思うので、あんまり負担かけたくないなっていうのあるし。」(Gさん)

  「“母親”もすっごい大事にしたいけど・・・“妻”がいいなぁ。一番大事やな。もうお母さんだからって化粧もせず出たりとか、ジャージはいて出たりとか、そういうことは絶対したくないんやん。ちょっと外に出るから薄くてもいいからちゃんと化粧して、ちょっといい服着てとか、そういうことは大事にしたいな、一番。」(Nさん)

 

 

 

<伝統的性役割観>

“結婚は縛られるものである”

「(結婚によって)自由な時間をたくさん奪われそうな気がする。」(Dさん)

「「結婚したんだぁ。」て思うと、精神的に自由がなくなる気がする。ちょっとは縛られるかな。」(Gさん)

  

結婚後、夫は外で働き妻は家庭を守るべきだ”

  「こんなリッチな旦那さんがいたらそれにこしたことはないけど。」

「(家事・育児)平等がいいと言いつつも、きっと自分がやってそうな気がする。」

「父親としては子どものことを忘れない程度に仕事してくれればいいかな。」(Dさん)

  「うん、いいんじゃないって思う。人それぞれだけど、たいていやっぱりそういう形になるし、自分もそれでいいし、それを反対しようとは思わない。」

  「・・・結婚して子ども作って暮らしてっていうのが普通かなって思うから。」

「(家事は)基本は自分。」(Gさん)

「別にそういう人がいてもいいと思う。自分もこれを聞いて、私もって思う部分があるの。」「結婚後夫は外で働きっていうのはすごくわかるの。絶対、男の人は外で働け!て思う。」(Kさん)

「どっちかっていうともう結婚したいなぁっていう感じなので。・・・・・・仕事がよかったとしても、結婚はしたいな。」

  「私は別になんとも思わない。専業主婦もいいなぁと思って。・・・ 家事や育児は自分がするかなと。」(Mさん)

  「賛成。「尽くしたい。」とかあると思う。・・・・・・家事に専念して尽くすのは嫌じゃない・・・基本的なことは私がする。今の人が「結婚したらおまえは仕事するな。」て言うのな。「家事に専念しろ。」て言うから、もうそんなんやったら私も「そんなめっちゃ(仕事)したいわけじゃないからいいで。」て言って。だからやっぱり(結婚後に仕事は)せんかな。家にずっといてもいい。・・・男は一生働かないかんやん。」(Nさん)

 

“女性は結婚するものだ”

  「(結婚)できなかったらどうしようっていう不安もあるし。たぶん意識的にみんながしてるからっていうのもあると思う・・・」(Kさん)

子どもを持つなら結婚するべきだ”

  「結婚しないのは子どもがかわいそう。手続きとか法律的なことが大変そうだから、そういう形を作ってあげたいのもあるし、親を安心させたいのもあるし。もし私が一人だったら結婚しなくても全然構わないんだけど、周りを考えてかな。」(Gさん)

  「同棲やったら子どもってあんまり作ったらいかんかなぁとか思うから、それやったら結婚して子どもを。結婚せずに子ども産むんやったら、そんなら結婚しいやって感じになるやん。社会の目とかを気にしてる部分があるんかな自分の中に。結婚しな子ども作ったらいかんわ。婚する前に子ども作ったら絶対なんか冷たい目で見られるわ。とか。」(Nさん)

 

子育ては女性しかできない”

  「(夫は)子育てはできない。」(Dさん)

 

    女性は尽くすものだ、尽くしたい”

  「(結婚は)大事な人のために大切な忙しい時間を使ってでも何かしたいような感じ・・・」(Dさん)

  「(家事や育児は)できればしてあげたいなと思う・・・・・・尽くしたいっていう気持ちはあるけど、行動には出ない。でも夜くらいは作って待っててあげたいなぁって思う。」(Mさん)

  「たぶん販売したら・・・・・・家に帰るのが10時半とかになるから、そんなんやったら同棲してる意味がない。ごはんを作ってとかそういうのしてあげたいから・・・」(Nさん)

 

    看護士は女性向きの職業だ”

  「看護の道に進んだのもたぶん女だからで、男だったらたぶん進んでないと思う。すごく偏見なんですけど、男の子って看護してても難しいかなと思う。女性の職業というイメージが強い。男性にももちろんあるけど、優しさや違う視点で気が付くことや、第六感の感性がきっと女性は違う。あまり理論づめしないところとか。」(Dさん)

 

女らしさを持つことはよいことだ、それを利用するべきだ”

  「(女らしさ)あって当然の状況だったらいいのかなと思う。」(Dさん)

  「ちやほやされたりする時で、ラッキーと思うし、嬉しいとも思う。・・・(女を利用して生きること)それはいいと思う。」(Kさん)

  「(仕事で)女の子やで早く帰りなって言われるのが嬉しいので。」(Mさん)

    女性の幸せは子どもをもつことだ”

  「産めなくても、育てる過程で女性しか感じられない価値観とかあると思うから、そういうのを持てることが女性の幸せかなと思います。」(Dさん)

出産ができるのは女の人の特権。・・・女性としては、好きな人と結婚して、好きな人の赤ちゃんを産みたい。」(Kさん)

「(女性の幸せ)やっぱり子どもを産めることかな。・・・(結婚した姉が)子どもが生まれたらすごい強くなったんで、母親になった強さや幸せなんかなぁと思って。なんでもできそうな気がする。自分もそうなれたらなぁと。」(Mさん)

「子どもができて幸せは、母親としての幸せ。うちは子育てがしたいから、子育てがすごいできるのは、出産もできるし、女でよかったって思うし。」(Mさん)

   

    男性は女性に比べて自由だ”

    男の人の方が自由な気がする。男の人の方が遅く帰っても怒られる度合いが違いそうなところが不利かなと思う。」(Mさん)

  「なんか、男の方が自由やん。女の子よりも絶対好き勝手できるし。」(Nさん)

 

  

非伝統・家庭重視タイプ型

<家庭重視>

 “子どもができたら子どもを優先する”

「(仕事)たぶん子どもができたらできないだろうなって思って。」(Eさん)

  「子どもができたらえらいし、(仕事をやめて家に)いた方がいいかなって思う。」(Lさん)

  「お金がなんとかなるなら仕事はしないかな。」(Pさん)

  「私は男の人と同じように(仕事を続けたい)とかそういう感覚はさほど強くはないと思う。それを両立させていくっていうのが自分の性格上無理やと思って・・・」(Pさん)

  「(仕事は)子どもができたらやめるかな。小さい時に保育園とかに預けるのは嫌やし。子どものためと、自分も預けたくないから。」(Sさん)

 

 

“(自分のことよりも)家庭・子どもが大切”

「旦那さんと子どもっていったら子どもだね。・・・母としては子ども中心に。たぶんやりたい事があったとしても子どもの方を優先すると思う。」

「できれば仕事は続けたい気はするけど、だからといって家族の世話とか家事とかがおろそかになるのは嫌なの。やるならちゃんと全部したいっていうタイプだから。」

小学校くらいの間まではできれば家にいてあげたい。うちの親が働いてて家にいないのは寂しかったから。」

「自分は家でずっと子どもの面倒をみたい。・・・一人目のときは自分でみたいと思う。子どもは一番大事な存在になると思う。・・・希望としては、結婚して自分の手で子どもをみてあげたい。」(Eさん)

「・・・やっぱり旦那さんよりも子どもかな。ちょっと仕事と悩んだんだけど、やっぱり母親が一番上にくるかな。・・・仕事を続けることはそんなにこだわらない。」

「旦那さんと子どもがいたら、その人たちが第一になるわけだから。今は友だちの存在がすごく大きくて、友だちが一番だけど、結婚すると一番が旦那さんや子どもになるから、寂しいものもあるけど、それはそんなに嫌ではない。」(Hさん)

「仕事か家庭かって言われたら、たぶん好きなことでも家庭をとると思うな。・・・家族を持ってるんだったら、自分の幸せに走り過ぎるのもいけないなぁって思う。・・・自分の幸せを求めて失うリスクがちょっと大きいなって思う。」

「子どもが寂しい思いするのがわかってるんだったら、その期間は働かなくても仕方がないかなぁって思う。自分の子だからねぇ。」(Iさん)

「家事、育児、仕事だったらどれを重視しますか?―現実だったらたぶん育児じゃない?・・・だって子ども放っておけないじゃん。かまってもらえないのはかわいそうだしさ。一緒にいてあげられるのならいてあげたいから、やっぱり育児。・・・できるだけいてはあげたい

「人に育ててもらうよりはやっぱり自分がいた方がいいかなって。」(Lさん)

「(子ども)一人に手かけたいんで。かわいいかわいいしたい。みんな一人だけだと寂しいじゃんって言うけど、三人いてほったらかされる方がもっと寂しい。自分がそうだったから。・・・自分が寂しい思いしたから、子どもには手かけてあげたい。やっぱ自分が味わってきて嫌だったことは、子どもにはさせたくないから、そういう理想に憧れて、なりたいって思っちゃうんだろうね。」

「家族の幸せか自分の幸せかどっちを大事にしますか?―たぶん、子ども、家庭を大事にするんだろうなぁって思う。」

「パートで働くっていうのも育児のことを考えてのことだから・・・」(Rさん)

「・・・何も働かなくて、家のことだけやってればいいっていう、生活に本当はなれたないいんだろうなって思う・・・」

ある程度子どもが育つまでは一緒におりたいかなぁ。・・・じっくり子どもと関わりたいから。子育てってすごく大事やし、(子どもにとって)大事な時期に自分がおらんと、子どもにとってもしかしたらマイナスになってしまうかもしれないし。そうなってしまうのは嫌やで、なんか、愛情に溢れた中で育ってほしい。」

「できるだけ自分で育てたい。」

「(夫には)家庭を大事にしてほしい。・・・私だけの子どもじゃないから、二人の子どもやで。」(Pさん)

子どもが幸せやったらそれでいいかな。それを見てるのが自分の幸せでもある。」

「(離婚は)子どもがおったらやっぱり子どものこと考えるから、どうかなって思う。・・・自分の自由だけ求めて離婚することはないですか?―うん。」

「妻、母親、職業人のうちどれを重視したいですか?―妻か母親かなぁ。旦那さんと子どもって言ったら子どもやから、母親かな。」

「子どもができたら小さい時は専業主婦でいたい・・・」

「(出産後の再就職は)別に就職ていう形じゃなくてもパートでもいい。」(Sさん)

「妻、母親、職業人のうちどれを大切にしたいですか?母親かなぁ。そうなりそう。」

「子どもが中学高校くらいで自分が45の時に退職。自分の母が仕事に出とって、「家におってほしいな。」ってすごい思ったんで。」(Tさん)

 

“結婚して家庭・家族をつくりたい”

「(結婚のイメージ)憧れというか、落ち着きたいという感じ。すごく好きな一緒にいれる人が旦那さんで、子どもがいて、すごく幸せだと思う。そういう家族がいつかはできるかなっていう憧れはずっと持ってるかな。・・・今の家族はそれで大切やけど、また別の家族、今私は子どもだけど、親になってっていうのをしていきたいなと思う。」(Hさん)

「(結婚によって得るもの)自分の家庭は持ちたいと思う。(結婚)願望は大きいっていうほどでもないけど・・・帰る家があるのはいいなぁって思う。」

「恋人っていうか“お父さんとお母さん”みたいなのがいいかな。“家族”ていう感じの方がいいかなぁ…理想かなぁたぶん。」(Iさん)

一緒にいたり、暖かい家庭を作りたい。」(Rさん)

「(子どもができると、お父さんとお母さんみたいになること)それはよくないことはないかもしれない・・・」

「結婚して、子どもを作って、普通に家庭を築きたい…かなぁ。・・・いつか結婚して子ども産んで家庭を作りたい・・・一般的な、旦那さんを待つ、みたいな。奥さんしたい」(Sさん)

「結婚したら自分の家族が増えるわけですよね、それは嬉しいかもしれない。・・・家族作りたい。」(Tさん)

 

“結婚後に仕事を続けるか否かは相手の考え方次第”

「これからは現実的に(お金のために仕事を)やらないと。旦那さんもやってくれって言うんで。」(Rさん)

「(28歳で)仕事をやめるのも、相手の人とやめるか続けるかは決める。」(Sさん)

 

 “家族の幸せは自分の幸せ”

「家族の幸せか自分の幸せかどっちをとりますか?―家族の幸せって自分も入るならみんなが幸せがいい。」(Lさん)

 

“自分よりも家族の幸せを優先する”

家庭に入らなきゃいけないときもあると思う・・・」(Lさん)

「妻、母親、職業人のうちどれを一番重視しますか?―うーん…妻と母親が同じくらい大事かな、うん。職業人は下がるかな。・・・(家族の幸せか自分の幸せかって言ったら)家族の幸せかな。」(Pさん)

「家族の幸せか自分の幸せかといったらどっちを取りますか?―うーん…家族の幸せかなぁ。」(Tさん)

 

“(一番)旦那さんを大切にしたい”

「妻、母親、職のうちどれを大切にしたいですか?―妻は理想かもしれない・・・」(Iさん)

「結婚において夫婦関係は子どもより大事だと思う。子どもは別に放っておけば育っていくけど。結婚してもラブラブでいたい。」(Lさん)

「生活のスタイルが全然違うから、あっちは5時終わり、私は7時終わり。やっぱそうするとすれ違いとかあるから結婚を機に退社したい。・・・二人の時間合わせるためにやめる。」(Rさん)

 

“子どもと旦那さん両方を(一番)大切にしたい”

  「・・・子ども中心で旦那さん放ったらかしみたいなのは嫌。同じくらいが一番いいと思う。(Sさん)

 

“結婚後はお金のために仕事をする”

「・・・生活がやっていけなかったらやっぱ仕事人に戻る。」(Rさん)

お金がなかったら働くかもしれない・・・パートとかには出たいなぁって。」(Lさん)

バリバリ仕事をやりたいとは思わない”

私はそこまで思わない。・・・バリバリ仕事したいとは思わない・・・」(Sさん)

 

“家庭を持つならば自分の好き勝手はできない”

「(結婚によって)あんまり好き勝手しちゃいけないかなぁ色々と節度ある行動を取らなきゃいけないかな。自分の好き勝手はできないしね。一人じゃないからね。」(Iさん)

「できれば自分のために自己中に生きたい。だけど、家族を持てばまた違うと思うなぁきっと。・・・子どもがかわいかったら、自分を犠牲にするかもしれない・・・」(Lさん)

 

<非伝統的性役割観>

“主婦業は男女で分担すべきだ(完璧/3:7)”

「・・・何もしてもらわないっていうのも嫌な感じがする・・・」(Eさん)

「子ども育てるのはまぁ一人じゃ無理でしょう。旦那さんとか・・・半々は難しいかもしれないけど、まぁ7:3くらいでもやって欲しいな。」

「家庭全部任されるのもねって思うし。全部完全に分けちゃうとお互いきついかなって思う。分担をしてるから失敗してもちょっと許せる感じがする。基本的に色々分担したい家事にしろ育児にしろ。」(Iさん)

週一くらいでご飯作ってほしい。別に毎日家事やれとかじゃないけど、たまにはちょっと自分も息抜きしたいじゃんね・・・多少は手伝ってもらえた方がいいよね。」

別にやれって言われたらやるけど、でもちょっとぐらいやりなよみたいな・・・」

子どもの面倒は絶対みてもらう。だって二人の子だから・・・両方同じくらい育てる義務があるし・・・」(Lさん)

家事や育児は私がどうしてもできない時とかは助けて欲しい。むこうが絶対できない時も助けるし。」(Pさん)

家事は夫婦でやっていくことだと思うから。共働きするつもりだから、平等に分担ていう形で育児も分担。」(Rさん)

結婚したら助け合っていかないかん・・・もし(自分も)仕事してたら半々はないけど、手伝ってほしい。」(Sさん)

 

“妻が外で働き、夫が家庭を守ってもよいと思う”

「もし本当に経済的にダメな、できない人だったら、自分が働いて、旦那さんには家のことをやってもらっても別に問題はないと思う。」(Eさん)

別に関係ないと思う。逆でもいいと思う。旦那が育てて、自分が働いてもいいと思う。全然、それでいいならそれでもいいし。どっちがどっちとかないと思う。別に家庭を守ることを男がやってもいいと思う。」(Lさん)

もし旦那さんがうちで料理を作ったり洗濯したりしたいっていう気持ちがあるんだったら、別にそれはあかんっていうわけではないし。じゃあその分私が働くわみたいな。・・・“夫が外で働かなきゃ”ていうのはないと思うなって。どっちでもいい。」(Pさん)

 

“主婦業も仕事も男女一緒にやればいい”

「私は旦那さんも一緒に家庭を守るべきだと思うし奥さんも働いてもいいと思うし。夫は働いて妻は家事っていうのじゃなくて、どっちも一緒にやればいいやんて思う。」(Hさん)

「(仕事と家庭)半分半分平等!ていうわけではなくて、お互い助け合える方が。・・・お互い働き合ってるならお互い助け合ってもいいと思うし。」(Pさん)

 

“結婚後夫は外で働き妻は家庭を守るという考え方に意義あり”

昔の考え方っていう感じがするかな。」(Hさん)

古いなぁ。今なんて共働きが当たり前だし、学童保育がすごいさかんで、子どもをそういうところにあずけるっていうのは、奥さんが働いていて当たり前だし、こんな考え方は古い自分もこういう考え方には当てはまらないなって思う。・・・守るべきっていうと堅い感じはする・・・」(Rさん)

家を守るべきだ…めっちゃ男尊女卑やんな。カッチーンて感じやけど。遅れとるなとか思う。古―って自分だったら嫌。」(Tさん)

固定観念的なこういうのはあまりよくないと思う。押し付けられるのはダメ。」(Eさん)

自分だったらこうそのまま言われるとえー!て思う。やだ。とか思いそう。」(Iさん)

「(結婚相手に求めること)できればこういう考えは持ってて欲しくない。」(Pさん)

「「女は家事せなあかん。」みたいなのは嫌。・・・相手の男の人(夫)に「女なら当たり前。」て思われてるのは嫌だ。・・・「ずっと家におれ。」とか。」(Sさん)

「・・・「おまえは専業主婦をやれ。」みたいな感じやんな。自分がそう言われたら嫌かなぁ。」(Tさん)

 

“仕事・主婦業に関して各家庭に合った形を取ればよいと思う”

「・・・その夫婦夫婦でやりたいようにやればいいし。夫婦で合った方法があるだろうから、それに合わせたことをやればいいだけで。」(Eさん)

 

“「○○のお母さん、妻」扱いされるのは嫌だ”

妻は、微妙だなぁ・・・そんなにいいイメージないかもしれない。」(Iさん)

 

“結婚は受け身ではない”

よく「片付く」とかいうやんか、「うちのも片付いて。」とか。あんなの言われるの嫌やなぁとか思ったりもするし、「なんでそんなの言うんやろう。」とか思うけど。」(Sさん)

 

“結婚(だけ)が女性の幸せではない”

結婚はただの形で、通過点に過ぎないから、“女の幸せ=結婚”とは全然考えてなかった。」(Rさん)

「・・・そういう枠に入るのは嫌で。・・・結婚だけが幸せなことではないと思う・・・」(Sさん)

 

 

“結婚は男性の幸せでもある”

「女性としての幸せは結婚だ。」ていうのもそれは「男性もじゃない?」て思う。女性に限ることかな?て思う。」(Iさん)

 

“(子どもがいなければ)離婚してもいいと思う”

「子どもがおらん離婚だったら、自分がしたいと思ったらできる・・・」(Sさん)

 

“「女だから」という目で見られたり言われるのは嫌だ、疑問を感じる”

女らしさって何?て思うときはある。いい子ぶったりかわい子ぶったら女らしいのか!っていう思うはあるかな。」(Hさん)

周りから、やっぱり「女は料理ができて、手先が器用で」みたいなことを言われるのは嫌やし。「女なのに…」みたいな。」(Pさん)

  「ちょっと仕事とかで(家事が)できやんだ時に、「女やでしろ。」みたいな、そういう人は嫌。そこで理解してくれる人、「同じ社会人で働いてるんやで。」って。平等って思ってくれる人は理想・・・」(Tさん)

「(日常的に)平等の方がいいと思う・・・」(Sさん)

 

“性別を意識しない”

「おしとやかとか嫌とかではないけど、そんなにこだわりはないかな。おしとやかになりたい!とかはあんまり思わない。自分は自分かなって思う。」(Hさん)

基本的にあんまり女として意識しない。」(Lさん)

 

 

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