方法



1.調査対象

 三重大学生と名古屋大学生及び三重大学院生286名(男性127名、女性159名)を対象に質問紙調査を行った。平均年齢は20.3歳であった。


2.調査時期

2004年12月に実施した。


3.調査実施状況

 調査の大半は、講義の時間の一部を利用して一斉に行った。その他については、個人的に調査を依頼し、その場または自宅で回答してもらった。質問紙に回答するのに要した時間は15分程度であった。


4.質問紙の構成

質問紙は、後述する尺度から項目を選択し、作成した。なお、質問紙については、巻末の参考資料に記載する。


1)一時的マインドコントロールかかりやすさ尺度

 一時的マインドコントロールのかかりやすさを測定する目的で筆者が作成した。作成方法は、社会心理学を専攻する学生15名に対して一時的マインドコントロールの概念を説明した上で、普段の生活において一時的マインドコントロールを使った勧誘であると考えられる場面についての意見を聞き、一時的マインドコントロール的な場面としてふさわしいと考えた22項目を筆者が選択し、一時的マインドコントロールを測定尺度とした。
 被調査者に、各項目に対してどの程度経験したことがあったかを、5件法(1. 一度もなかった 2. 一度くらいはあった 3. まれにあった 4. ときどきあった 5. たびたびあった)で回答を求めた。


2)向上心尺度

 井上(1997)によって作成された向上心尺度を使用した。この向上心尺度は、成長動機に基づいて、自己を高めようとする意欲や態度を測定することを目的として作成されたものである。この尺度は全15項目から構成され、2つの因子(「成長動機」9項目、「現実自己の向上」6項目)からなる。  被調査者に、各項目に対してどの程度当てはまるかを、5件法(1. あてはまらない 2. どちらかといえばあてはまらない 3. どちらともいえない 4. どちらかといえばあてはまる 5. あてはまる)で回答を求めた。


3)批判的思考態度尺度

 平山・楠見(2004)によって作成された批判的思考態度尺度を使用した。この批判的態度尺度は全33項目から構成され、4つの因子(「論理的思考への自覚」13項目、「探求心」10項目、「客観性」7項目、「証拠の重視」3項目)からなる。
 被調査者に、各項目に対してどの程度当てはまるかを、5件法(1. あてはまらない 2. どちらかといえばあてはまらない 3. どちらともいえない 4. どちらかといえばあてはまる 5. あてはまる)で回答を求めた。


4.親和動機尺度

 Hill(1987)によって作成された対人志向性尺度の日本語版である岡島(1988)の「親和動機尺度」を使用した。この親和動機尺度は全26項目から構成され、4つの因子(「情緒的支持」7項目、「ポジティブな刺激」7項目、「社会的比較」5項目、「注目」7項目)からなる。
  被調査者に、各項目に対してどの程度当てはまるかを、5件法(1. 全く違う 2. どちらかと言えば違う 3. どちらともいえない 4. どちらかと言えばその通りだと思う 5. まったくその通りだと思う)で回答を求めた。