緊張・緊張推測ともに負の相関を示したBLBは各従属測度の中で最も密接に緊張と関連している非言語的行動だと考えられる。 緊張はBLBに反映され、そこから緊張は推測されるというメカニズムがあるといえるであろう。 また緊張とECに負の相関が、緊張推測と避視行動に正の相関がみられたことから、目という同じ身体部位でも異なった機能を持っていることがわかる。目が様々な機能を持っていることは大坊(1998)からも明らかである。 しかし、緊張が相手と目を合わせるか否かに反映されるのに対して、緊張の推測は相手が自分に視線を向けている、向けていないに関わらず相手から視線を外すことに基づいて行われていると考えられるので、ここに人間のNVCの微妙なズレをみてとることができるであろう。このようなズレが円滑なコミュニケーションの妨げになっているのかもしれない。 最後に解読スキルと緊張推測との関連で、BLFとHOと視線とが関連しあって機能している可能性についてであるが、確かに仮説4の検証の結果からでは、BLFとHOと視線とが関連しあって機能しているとは言い切れない。 しかし、その可能性を示したことによって、今後NVCについて研究する人たちに新たな視野を提供し得たのではないかと考える。 |