尺度構成
アレキシサイミア尺度(TAS-20)
小牧・前田・有村・中田・篠田・緒方・志村・川村・久保(2003)の
日本語版The 20-item Toronto Alexithymia Scale(TAS-20)を使用。
Taylorら(1994)はTASを簡略化し、20問という自記式の簡単なアレキシサ
イミア測定法TAS-20を開発しており、世界的にもっとも有用性の高い自記
式評価尺度の1つとして数えられてきている。小牧らはこのTAS-20の日本
語版を作成し、信頼性、因子的妥当性を検討した。
TAS-20質問紙全体としてはほぼ満足できる内容であり、テスト−再テスト間
の安定性も高いことなどから、日本語版TAS-20の信頼性および因子的妥当性が
支持されたため、本研究で使用した。
特性怒り尺度
鈴木・春木(1994)のSTAXI(State-Trait Anger Expression Inventory)
日本語版の一部を使用。
「状態怒り(State Anger)」「特性怒り(Trait Anger)」「怒り表出(Anger-Out)」
「怒りの抑制(Anger-In)」「怒りの制御(Anger-Control)」の5つの下位尺度から
構成されている。そのうち、パーソナリティ特性としての怒りやすさの個人差を
測定する尺度である「特性怒り(Trait Anger)」を使用した。
キレ衝動尺度
崔(1998)が作成したキレ衝動尺度を使用。
崔は、キレることには「キレる」行動自体とキレる以前の「キレ衝動」の2つの段階
が考えられるとして「キレ衝動尺度」を作成し、信頼性と妥当性を検討した。キレ衝
動のα係数が.89と信頼性が認められた。妥当性の検討のためにキレ衝動の総得点と、
並行して実施された敵対的攻撃イベントリー(敵意、いらだち)および状態不安イベ
ントリーとの相関は、中〜高い値が得られた。このことより、キレ衝動の併存的妥当性
が検証された。
怒り表現語数
感情表現辞典の中の怒り感情語群、多面的感情状態尺度の下位尺度の1つである敵意
の感情語群、「不安、抑うつ、怒りを表す感情語の分析」(鈴木、1998)の怒り場面で
の感情語群、その他よく耳にする怒り感情表現を13名に呈示し、聞いたことのないもの、
または、あまり使用しないと思われるものにチェックをしてもらい、削除した。その削除
したもの以外の表現をすべて採用した。全40項目。
ストレス反応尺度
鈴木ら(2001)の作成した、心理的ストレス反応尺度(SRS-18)に一部修正を加えて使用した。
「抑うつ・不安」「不機嫌・怒り」「無気力」の3因子構造で、各6項目から構成されている。
このうち、各因子3項目ずつ削除し、6つのポジティブ項目を加え、計15項目の尺度を作成した。