・・・まとめ・・・



卒論のまとめ


本研究においては、対面の友人関係と、インターネット上の友人関係では対面の友人関係の方が自己開示もソーシャルサポートも活発であるという事が言われた。

この結果には対面の友人関係の場合はノンバーバルな情報が得られる事や外的情報が自然と入ってくる事、またインターネット上の場合と違って簡単に切り捨てられる関係ではない事が強く影響しているのではないかと考えられる。

インターネット上で親しくなった場合は対面で会う事が多いという自由記述も見られた為、インターネット上でのコミュニケーションと対面でのコミュニケーションを平行して行っている場合についても今後検討していく必要性が考えられる。


また本研究では最も親しい同性の友人と対象を限定したが、ただの友人の場合、または異性の場合、様々な場合において、インターネット上での自己開示内容や、ソーシャルサポート内容は変化するのではないかと考えられる。

さらに本研究では人数の都合上見る事はできなかった性別による開示傾向の違いや、年代別比較など被験者数を増やして結果検証を行う事によって、異なった興味深い結果が見られるのではないかと考えられる。

インターネット利用者が増えていく中、多くの人がインターネット上で出会う機会を得られるようになるだろう。ネガティブではなく、ポジティブな効果を得ていく為にも実際にインターネット上で出会いどのようにして関係を築いているのかを解明していくことが、よりポジティブなコミュニケーションを行う手助けになるだろう。






謝辞

お忙しい中、時間を作って様々なご指導を賜り、なおかつアンケート調査にもご協力していただきました中西先生。
昨年たくさんの有意義なアドバイスをいただき、大変お世話になりました西川先生。
そして、様々なアドバイスや励ましを下さった西川・中西ゼミの先輩方、中西ゼミの皆様、人間発達科学課程の54期の皆様、そして紙面・インターネットを通してアンケートにご協力下さった多くの方々。

本研究がこうして無事に完成致しましたのも、こうした様々な皆様からのご教授、ご協力の賜物と深く感謝を致しております。

本当に有難うございました。







文献紹介

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Cues Filtered Out, Cues Filtered In
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Sproull, L., & Kiesler, S 2003 コネクションズ: 電子ネットワークで変わる社会
アスキー出版

笠木・大坊 2003 CMCと対面場面におけるコミュニケーション特徴に関する研究
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都築・木村 2000 大学生におけるメディア・コミュニケーションの心理的特性に関する分析――対面,携帯電話,携帯メール,電子メール条件の比較――
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都築・木村 2005 メディアコミュニケーションにおけるメディア意識と対人意識に関する分析―携帯電話,携帯メール,電子メール条件の比較― 
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榎本博明 1986 質問紙法による自己開示性の測定について
川村短期大学紀要6巻 113-134

久田満 1987 ソーシャル・サポート研究の動向と今後の課題
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平成17年度版情報通信白書 総務省通信統計データベース

V・J・ダーレガ,S・メッツ,S・ペトロニオ,&S・T・マーグリス著 齊藤勇監訳 1999 人が心を開くとき・閉ざすとき 自己開示の心理学 金子書房

パトリシア・ウォレス著 川浦康至・貝塚泉訳 2001 インターネットの心理学 NTT出版

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高比良・安藤・坂元 2004 ネット使用が中学生のネガティブ感情および攻撃性に与える影響(2)−目的別ネット使用のネガティブ効果− 日本パーソナリティ心理学会第13 回大会(早稲田大学), 84-85

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