2007/3/12
本研究では、子ども自身の思ったとおりの回答をしてもらうため、無記名で質問紙を行った。そして影響源の制御体験については「その効力感を実際に感じることがあるかどうか」を尋ねることで測定した。しかし、効力感があるかどうかを尋ねる質問項目と類似してしまったために、必然的に制御体験の経験頻度からの各領域の効力感への影響が強く出てしまった可能性が考えられる。したがって、制御体験については、子どもたちの実際の成績をもとにしたほうが、効力感の高さと制御体験の関係性の検討をより正確に検討を行えるだろう。
本研究によって、友人関係の効力感が一般的自己効力感に影響が強いということや学年の差違など、自己効力感を高める上でのアプローチを考える基礎的なデータを得ることができた。このデータをふまえてプログラムを考え、介入後の結果と、各効力感の変化をみることで、より効果的な介入方法を探索できるだろう。また、介入後の一般効力感の変化をみることで、双方向的な一般的自己効力感と各領域の効力感との関係を、より明確にできると考えられる。