1.調査対象
大学生男女248名を対象として質問紙調査を実施した。このうち、質問紙に記入漏れや記入ミスのあったものを除き、有効回答者計239名(男性45名、女性194名)のデータを分析対象とした。対象者の平均年齢は19.7歳であった。
2.質問紙調査実施時期
2006年11月下旬から12月上旬に実施した。
3.調査実施状況
調査は講義時間の一部を利用して一斉に実施し、その場で回収した。質問紙の回答に要した時間は15分程度であった。
4.質問紙の構成
質問紙はフェイスシート、対人的自己効力感尺度、学業自己効力感尺度、コーピング尺度、ストレス反応尺度から構成された。フェイスシートでは調査についての説明がなされ、回答者の基本属性(性別・年齢・学年)が尋ねられた。各尺度については以下の通りである。
(1)対人的自己効力感尺度
友人関係の開始や維持において必要と推測される自己効力感を測定するため、松島(2000)によって作成された対人的自己効力感尺度を用いた。この尺度は全32項目から構成され、「対人的スキルの自信」「友人への信頼・安定感」「友人からの信頼」の3つの下位尺度からなる。
本研究では、「対人的スキルの自信」因子から7項目を使用し、被調査者に6件法(1.全くそう思わない 2.そう思わない 3.ややそう思わない 4.そう思う 5.そう思う 6.とてもそう思う)で回答を求めた。
(2)学業自己効力感尺度
大学での授業における学習について必要と推測される自己効力感を測定するため、Pintrich and De Groot(1990)が作成した学習動機づけ方略尺度(MSLQ)の自己効力感を測る尺度9項目を、森(2004)が翻訳したものを用いた。
本研究では、英語の授業に対する自己効力感について尋ねたものを大学の授業一般について尋ねるものに変更し、8項目を使用した。被調査者に6件法(1.全くそう思わない 2.そう思わない 3.ややそう思わない 4.そう思う 5.そう思う 6.とてもそう思う)で回答を求めた。
(4)コーピング尺度
ストレッサーに対するコーピングを測定するために、尾関(1993)が作成したコーピング尺度、神村ら(1995)が作成した3次元モデルにもとづく対処法略尺度、三浦ら(1997)が作成した中学生用コーピング尺度を用いた。
本研究では、尾関(1993)から4項目、神村ら(1995)から8項目、三浦ら(1997)から4項目、を使用し、1項目を自ら作成した。被調査者には計19項目について、4件法(1.まったくやらない 2.たまにしている 3.ときどきしている 4.いつもしている)で回答を求めた。
(5)ストレス反応尺度
ストレス反応を測定するために、岡安ら(1995)が作成した中学生用ストレス反応尺度を用いた。この尺度は全68項目から構成され、「不機嫌・怒り感情」「身体的反応」「抑うつ・不安感情」「無力的認知・思考」の4つの下位尺度からなる。
本研究では、「不機嫌・怒り感情」から6項目、「抑うつ・不安感情」から6項目の合計12項目を使用した。被調査者には対人場面と学業場面の2場面において、4件法(1.まったく当てはまらない 2.少し当てはまる 3.かなり当てはまる 4.非常に当てはまる)で回答を求めた。
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