本調査

 

1.調査の目的

 予備調査を通して作成した学習観尺度、学習方略尺度、共同学習経験尺度と高田(1999)の文化的自己観尺度を使って、日本と中国の大学生が持っている学習観・学習方略・文化的

自 己観の日中間の違いを検討し、さらに文化的自己観、学習観と学習方略の間に、どのような関連があるのかを検討し、それらがどのように機能しているのかを考察する。


2.調査対象 

    日本 三重大学学生138名(男性73名、女性65名)
 
    中国 天津ビジネス学院学生118名(男性16名、女性102名) 


3.調査時期

     日本 2006年10月
   
     中国 2006年9月


4.調査実施状況

 調査は講義時間の一部を利用して一斉に実施し、その場で回収した。質問紙の回答に要した時間は約20分程度であった。


5.質問紙の構成

 質問紙はフェイスシート、学習観尺度、学習方略尺度、文化的自己観尺度、共同学習経験尺度から構成された。フェイスシートでは調査についての説明がなされ、回答者の基本属性

(学 部・学年・性別・年齢)が尋ねられた。各尺度については以下の通りである。

   @学習観尺度

     予備調査と高山(2000)が作成した9因子の学習観尺度に基づいて、合計36項目を作成した。この尺度は、9つの下位尺度「主体的探求」「記憶と知識の増大」「応用」「自然な習得」

「体得・ 反復」「成長・向上」「強制・義務」「共同学習」「理解」から、各下位尺度4項目で構成されている。項目への回答は5件法により求めた。

   A学習方略尺度

     村山(2003)と佐藤・新井(1998)の作成した学習方略尺度と予備調査を参考にして、28項目を作成した。項目への回答は5件法により求めた。
 
   B文化的自己尺度

     相互独立性•相互協調性を測定するために、文化的自己観尺度(高田、1999)を用いた。この尺度は「相互独立性」と「相互協調性」を測定するそれぞれ10項目で構成されている。項

目へ の回答は7件法により求めた。

   C「共同学習」経験尺度

     小学校から大学までにおける「共同学習」経験の有無を各学校ごとに、4項目で測定した。項目への回答は4件法により求めた。



 

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