今後の課題






1.社会的スキル訓練のプログラム内容

2.職業意識の変化

3.シェアリングを行う際の注意








1.社会的スキル訓練のプログラム内容
 
 今回、社会的スキル得点減群においては、より職業不決断を高めてしまうという結果がでた。これは、3回という限られたSSTの時間の中ではフォローができなかったという部分に要因があると考えられる。社会的スキルを学習させることで時間がすぎてしまい、望ましい効果が現れなかった者へのフォローを十分に行うことができなかったためではないか。


ページトップへ

2.職業意識の変化
 
 職場体験学習によって、職業不安と職業忌避欲求が高まっていることがわかった。SSTの効果から、トラブル処理スキルを向上させることで職業不安を低くすることができる可能性があると見出されたが、将来は楽しく遊んで暮らしたいという職業忌避欲求については、SSTの効果の影響はなかった。しかし、シェアリングによってトラブル処理スキルと関係開始スキルが向上している者は、将来の職業や働くことについてあきらめないという意志や真剣に考えたいという意識が高まっていた。このことから、シェアリングによる職業意識の共有化・深化を行うことが働かないで遊んで暮らしたいと思うことへの予防となるのではないだろうか。



ページトップへ

3.シェアリングを行う際の注意
 
 KISS-18の下位尺度3スキル向上した者、低下した者ともに、自身の将来の夢に強くこだわる記述が職場体験学習・シェアリング後に多くなった。職業に共通してある「大変さ」ということを、考えさせるべきであったのに「自分の希望する職業は例外になる」という意識をシェアリングによって強めてしまった。今後は、このようになる前に、シェアリングのまとめとしてしっかりと「働くことに共通なもの」を伝えることや、シェアリングの意見から共通点を見つけ「働くこと」への深化をはかるなどのシェアリングの方法も検討しなければいけないだろう。

ページトップへ







TOP