今後の課題
最後に、本研究における今後の課題を3つ挙げる。
1つは、場面設定についてである。今回、有光(1999)による分類で比較的類似した状況を呈示したつもりであったが、子どもたちにとっては場面によっても「あがり」の程度が異なってくることが示唆された。
よって子どもたちがどんな場面で「あがり」が生起しやすいのか、検討する必要があるだろう。
2つは、他者意識と準備不足以外の原因から生起される「あがり」を検討することの必要性である。
今回はこの2つを取り上げたが、児童期における「あがり」生起原因として、より重要な原因が他に存在するかもしれない。
よって他の「あがり」生起原因について検討する必要があるだろう。
3つは、「あがり」生起場面において認知と実際の「あがり」生起の違いを考慮しなければならないことである。
本研究では、認知のレベルでは生理的側面と心理的側面における「あがり」について低学年と中学年との比較ができた。
しかし、本研究で「あがらない」と答えた場合にも、実際には「あがり」が生起されることもあるだろう。
「あがり」生起場面において実際には「あがり」が生起されるのか観察し検討する必要があるだろう。
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