【方法】
1.調査対象
三重県立K高等学校に在籍する280名の高校2年生と,国立M大学に在籍する233名の大学生。回答に不備の見られた12名を除いた,501名(高校生272名,大学生229名)を分析の対象とした。
2.調査時期
2014年11月下旬〜12月上旬
3.手続き
質問紙による調査を行った。高校生・大学生ともに,授業時間にその場で回答を求め回収する一斉配布,一斉回収の方法をとった。大学生に対しては,授業時間外にも複数の協力者に回答を求め,後日回収した。
4.質問紙構成
@「既読」がついたまま返信が来ない時の感情尺度(以下,返信が来ない時の感情)
五十嵐・元吉・高井・吉田(2005)の携帯メール依存尺度の中からメッセージの送信時の感情に関わる7項目,鈴木・嶋田・三浦・片柳・右馬楚・坂野(1997)の新しい心理的ストレス反応尺度(SRS-18)の中から8項目を抜き出したもの。教示文で「友人同士のLINE」に場面を限定し,各項目に「『既読』がついたまま返信が来ない時」という一文を付け加えた。「1.あてはまらない」〜「5.あてはまる」の5件法で回答を求めた。
A「既読」をつけたまま返信をしない時の感情尺度(以下,返信をしない時の感情)
五十嵐ら(2005)の携帯メール依存尺度の中からメッセージの受信時の感情に関わる6項目,鈴木ら(1997)の新しい心理的ストレス反応尺度(SRS-18)の中から8項目を抜き出したもの。教示文で「友人同士のLINE」に場面を限定し,各項目に「『既読』をつけたまま返信をしない時」という一文を付け加えた。「1.あてはまらない」〜「5.あてはまる」の5件法で回答を求めた。
B過剰適応傾向尺度
石津(2006)によって作成された過剰適応傾向尺度33項目。『他者配慮』,『期待に沿う努力』,『人からよく思われたい欲求』,『自己抑制』,『自己不全感』の5つの下位尺度から構成されており,高校生・大学生に合わせて一部項目を改訂して使用した。「1.あてはまらない」〜「5.あてはまる」の5件法で回答を求めた。
CSTAI日本語版(以下,特性不安)
Spielberger(1970)によって作成されたSTATE-TRAIT ANXETY INVENTORYを,清水・今栄(1981)が日本語訳したもの。状態不安を測るA-Stateと,特性不安を測るA-Traitの各20項目が存在し,本研究ではA-Traitを用いた。「1.全くあてはまらない」〜「4.よくあてはまる」の4件法で回答を求め,各項目の得点の合計点(20~80点)によって,被験者の特性不安得点を算出した。
D改訂版UCLA孤独感尺度日本語版
Russell(1980)によって作成されたThe revised UCLA loneliness scaleを諸井(1991)が日本語訳したもの。20項目からなり,「1.全く感じない」〜「4.よく感じる」の4件法で回答を求めた。各項目の得点の合計点(20~80点)によって,被験者の孤独感得点を算出した。
Eその他の質問項目
フェイスシートで性別,年齢,学年の3項目,質問紙内で「返信が来ないことを気にする時間」,「返信をしないことを気にする時間」の2項目について回答を求めた。