2.筆記開示の効果
2-1.筆記群・抑うつ傾向高低群のポジティブ気分とネガティブ気分
気分の変化について検討するため、ポジティブ気分得点とネガティブ気分得点を分けて表した。ポジティブ気分得点については筆記1回目の構造化開示群で変化なし、筆記2回目の構造化開示群、非客観視群ではポジティブ気分得点が減少した。ネガティブ気分得点については筆記1回目の構造化開示群で増加、筆記2回目の構造化開示群、非客観視群では気分得点の減少がみられた(図5、6)。

各筆記群をさらに抑うつ傾向高低群に分け、ポジティブ気分得点・ネガティブ気分得点の変化を検討した。構造化開示群のポジティブ気分得点の変化について、筆記1回目では抑うつ傾向低群でポジティブ気分得点の増加、筆記1回目抑うつ傾向低群、筆記2回目の抑うつ傾向高低群ともに減少がみられた。ネガティブ気分得点の変化については筆記1回目では抑うつ傾向高群で減少、抑うつ傾向低群で増加がみられ、筆記2回目では抑うつ傾向低群で減少、抑うつ傾向高群では変化がみられなかった(図7、8)。

一方、非客観視群のポジティブ気分得点の変化について、筆記1回目では抑うつ傾向高低群ともに減少、筆記2回目では抑うつ傾向高群で減少、抑うつ傾向低群で増加がみられた。ネガティブ気分得点の変化について、各筆記で抑うつ傾向高低群ともに減少がみられた(図9、10)。
