2-2.群と抑うつ傾向ごとの気分得点の変化

 各筆記群の気分の変化について検討した。ポジティブ気分得点からネガティブ気分得点を差し引き、気分得点とした(図11)。
 どちらの群においても気分得点の増加は見られなかった。


 各筆記群をさらに抑うつ傾向高低群に分け、各筆記群の気分得点を示した(図12、13)。筆記2回目の非客観視群・抑うつ傾向低群の気分得点のみ増加した。


 構造化開示法を用いた筆記開示のポジティブ気分・ネガティブ気分への影響を検討するため、筆記前後の差分を算出し、ポジティブ気分得点の変化およびネガティブ気分得点の変化とし、筆記群に対するポジティブ・ネガティブ気分得点の多変量分散分析を行った(表7)。いずれもWilks λは有意ではなく、筆記による統計的に有意な効果はみられなかった。