方法
1.調査対象
三重県内の大学生236名(男子130名、女子106名)に質問紙調査を行った。平均年齢は、19.3歳であった。
2.調査時期
2014年11月下旬〜12月初旬
(手続き)
質問紙による調査を行った。質問紙は大学の講義時間に一斉に配布をし、回答後一斉に回収した。
3.質問紙の構成
質問紙は以下の4つの尺度によって構成された。
また、フェイスシートにおいて、学部、学年、年齢、性別について尋ねた。
3-1.感情制御能力尺度(24項目)
山田・杉江(2013)の感情制御能力困難性尺度のうち感情制御を困難にさせる要因のうち「感情受容困難」「行動統制困難」「感情自覚困難」、土田・福島(2007)の認知行動的セルフモニタリング尺度のうち自己感情を制御して行動できるかどうかという「行動モニタリング」、自己感情のモニタリングである「モニタリング認知」、吉津・関口・雨宮(2013)の感情調節尺度のうち置かれている状況を良いように再評価しようとする「再評価方略」の計24項目を全て能力として捉えられるように修正して使用した。
なお、教示文において、ネガティブ感情、ポジティブ感情を「ここでいうネガティブ感情とは、怒り・悲しみといった感情のことです。ここでいうポジティブ感情とは喜び・楽しさといった感情のことです。」と示した。選択肢は、「ぜんぜんない:1」から「いつもある:4」までの4件法で回答をさせた。なお、得点が高いほど感情制御能力が高いことを意味する。項目については、心理学を専攻する学生、大学教員で妥当性の検討を行った。
3-2.感情特性尺度(30項目)
寺崎・古賀・岸本(1994)の個人が普段感じる感情の強弱を測る感情特性尺度のうち「抑うつ・不安」「敵意」「倦怠」「活動的快」「非活動的快」「親和」の各5項目、30項目を使用した。選択肢は、「全く感じていない:1」から「はっきり感じている:5」までの5件法で測定した。
3-3.自己意識尺度(11項目)
菅原(1984)によって作成された自意識尺度のうち自己の外的側面、対人的側面に注意を向ける程度である「公的自意識」11項目を使用した。選択肢は、「あてはまらない:1」から「あてはまる:5」までの5件法で測定した。
3-4.自尊感情尺度(10項目)
山本・松井・山成(1982)によって作成された自己の能力や価値についての認知的な感情や感覚である、自尊感情尺度10項目を使用した。「あてはまらない:1」から「あてはまる:5」までの5件法で測定した。