-方法-
調査対象
三重県内の大学生258名、高校生249名に質問紙調査を行った。回答に不備がみられた
ものを除外し、大学生231名(1年生53名、2年生48名、3年生41名、4年生89名、
男子135名、女子96名)、高校生234名(2年生117名、3年生117名)、男子73名、
女子161名)を分析の対象とした。大学生の平均年齢は20.48歳、標準偏差は1.36、
であり、高校生の平均年齢は17.19歳、標準偏差は0.70であった。
調査時期
2014年11月下旬〜12月初旬
(手続き)
大学生に関しては、大学の講義時間に配布し、その場で回収した。また、
知人やその知人に回答を依頼し、後日回収した。
高校生に関しては、高等学校の教師に依頼し、クラスごとに教師が実施した。
質問紙の構成
質問紙は以下の4つの尺度によって構成された。
また、フェイスシートにおいて、大学生に関しては、「大学生の意識調査」
と称し、学部、学科、学年、年齢、性別を尋ねた。高校生に関しては、
「高校生の意識調査」と称し、学校名、学年、年齢、性別を尋ねた。
@自己受容(19項目)
櫻井(2013)によって作成された自己受容尺度を使用した。「全体としての自己受容
」因子7項目、「望ましい自己受容」因子7項目、「現状満足」因子5項目の計19項目から
なり、「全くあてはまらない」から「とてもあてはまる」までの5件法で測定した。
大学生に関しては、「大学生になってからの普段の自分」に最もあてはまるものを
尋ね、高校生に関しては、「高校生になってからの普段の自分」に最もあてはまるものを
尋ねた。
A他者受容(17項目)
櫻井(2013)によって作成された他者受容尺度を使用した。「他者受容」因子の1因子、
17項目からなり、「全くあてはまらない」から「とてもあてはまる」までの5件法で測定
した。
大学生に関しては、「大学生になってからの普段の自分」に最もあてはまるものを
尋ね、高校生に関しては、「高校生になってからの普段の自分」に最もあてはまるものを
尋ねた。
BSM(13項目)
Snyder(1974)が提唱した25項目のSM尺度をもとにLennox & Wolfe(1984)が提案した
改訂版SM(Revised Self-Monitoring, RSM)尺度を提案した。そしてさらに、その改訂版
SM尺度に検討を加え、岩淵・水上(2003)によって作成された日本語改定版SM
(Japanese Revised Self-Monitoring, JRSM)尺度(以下、JRSM尺度)を使用した。
「他者行動への感受性」因子6項目、「自己呈示変容能力」因子7項目の計13項目からなり、
「全くあてはまらない」から「とてもあてはまる」の5件法で尋ねた。
JRSM尺度は、反応カテゴリーを語尾に応じて変化させていたことから、原尺度では
反対項目として使われていた項目12を、反対項目から除外しているのだが、本研究では、
5件法を用いるため、項目12は反対項目として扱った。
大学生に関しては、「大学生になってからの普段の自分」に最もあてはまるものを
尋ね、高校生に関しては、「高校生になってからの普段の自分」に最もあてはまるもの
を尋ねた。
C対人ストレス(40項目)
橋本(1997)によって作成された対人ストレスイベント尺度を使用した。
この対人ストレスイベント尺度は、個々の項目において、その出来事を経験した人
についてはどの程度ストレスを感じたかを評定させ、経験したことがない人については
その項目の評定を求めなかった。しかし本研究では、経験したことがない人についても、
「もし経験したらどのくらいストレスを感じるか」というのを想像した上で評定させた。
「対人葛藤」因子19項目、「対人劣等」因子11項目、「対人摩耗」因子10項目の計40項目
からなり、「全くあてはまらない」から「とてもあてはまる」の5件法で評定させた。
また、個々の項目においてどのくらい経験したことがあるか、経験の頻度も「ない」から
「よくある」の4件法で尋ねた。
大学生に関しては、「大学生になってからの普段の自分」に最もあてはまるものを
尋ね、高校生に関しては、「高校生になってからの普段の自分」に最もあてはまるもの
を尋ねた。