-要旨-
本研究の最大の目的は、SMと、これまでSM変数からは直接的な関係性について
説明がされていない対人的なストレスにおいて、自己受容および他者受容のバランスの
均等さに着目しつつ、両者の関係性を追及することであった。したがって、
(1)SMと自己受容および他者受容の関係性を明らかにすること、
(2)自己受容および他者受容のバランス関係によって対人ストレスに違いが
みられるかを検討すること、
(3)自己受容および他者受容のバランス関係とSMとの関係性を記述することを目的とした。
大学生258名、高校生249名を対象に自己受容尺度、他者受容尺度、日本語改訂版SM尺度、
対人ストレスイベント尺度による質問紙調査を実施した。その結果、自己受容の程度が
高いとSMの程度が高く、一方でそれ以上に、他者受容の程度が高いとSMの程度が高いと
いうことが明らかになった。また、自己受容および他者受容得点の高低によって調査対象者
を4群に分類し、各群が普段どの程度の対人ストレスを感じているかを検討した。
その結果、自己受容および他者受容がともに高い群よりも自己受容および他者受容が
ともに低い群の方が、感じる対人ストレスの度合いが高いことが示された。
そして、自己受容および他者受容のバランス群のSMの程度において、自己受容および
他者受容がともに高い者はSM能力も高く、自己受容および他者受容がともに低い者は
SM能力も低い傾向がみられた。