方法

1.調査対象

 三重県内の大学生264名に質問紙調査を行った。恋人との葛藤と異性友人との葛藤のどちらも回答していなかった95名を除き、169名(男性70名、女性99名)を分析対象とした。平均年齢は19.1歳、標準偏差は1.14であった。

2.調査時期

 2014年11月下旬〜12月上旬
 大学生に対して、対人関係における態度を調査するという旨を伝えて質問紙を配布した。調査形式は一斉配布、一斉回収の方法をとり、回答に要した時間は15〜20分程度であった。

3.質問紙の構成

@恋人の有無を尋ねる項目
 現在恋人がいる、現在恋人はいないが、過去(直近3年間)にはいた、過去(直近3年間)にも現在にもいない、の3項目を設けた。過去(直近3年間)にも現在にもいないと回答した者には異性友人との葛藤についてのみ回答させた。相手をより明確に想起させるために、思い浮かべた相手のイニシャルを書かせた。

A関係性認知尺度
関係性認知尺度は、清水・大坊(2005)において作成されたものを使用した。反対の意味をもつ単語対について、どちらの意味が相手との関係の印象に近いかを評定させるSD尺度16項目である。「重要性」「緊張感」「不確実性」「活発性」の4下位尺度から成る。7件法で評定を求めた。恋人との葛藤、異性友人との葛藤どちらにおいても同じ項目を回答させた。

Table 1

B一番印象に残っている葛藤の原因を尋ねる項目
古村・戸田(2008)が構成した質問紙を参考に、一番印象に残っている葛藤の原因を記述回答で求めた。相手との葛藤をより明確に想起させるために使用した。

C葛藤原因の重大度を尋ねる項目
想起した葛藤の原因が自分にとってどれだけ重要なものであったか、相手にとって重要だったと思うかの2項目を5件法で尋ねた。

D対人葛藤対処方略尺度
想起した葛藤時にどのような対処方略をとったのかを測るために、古村・戸田(2008)が作成した対人葛藤対処方略尺度を使用した。「譲歩」「対話」「攻撃」「回避」の4下位尺度から成る。恋人との葛藤、親友との葛藤ともに21項目であった。本研究では親友との対人葛藤対処方略尺度を異性友人との対人葛藤対処方略尺度として用いたため、「親友」を「友人」と改めた。著者の誤りにより、恋人との対人葛藤対処方略尺度の中の1項目(何もせず恋人が冷静になる時間をとる)、親友との対人葛藤対処方略尺度中の1項目(第3者に助けを求める)を用いなかった。また親友との対人葛藤対処方略尺度にはなく、恋人との対人葛藤対処方略尺度にあった項目を1項目(相手の意見や考えを無視する)、異性友人との対人葛藤対処方略尺度に用いた。

Table 2 Table 3

E対人葛藤結果尺度
Dでとった対処方略の結果、相手との関係がどのように変化したかを測るために、古村・戸田(2008)が作成した対人葛藤結果尺度を使用した。「ネガティブ変化」「ポジティブ変化」の2下位尺度から成る。本研究では親友との対人葛藤対処方略尺度を異性友人との対人葛藤対処方略尺度として用いたため、「親友」を「友人」と改めた。古村・戸田(2008)では恋人との葛藤では16項目、親友との葛藤では16項目であった。著者の誤りにより、親友との対人葛藤対処方略尺度の中の1項目(けんかによって2人のルールができた)を使用しなかった。また、親友との対人葛藤対処方略尺度の項目(親友と絶交したくなった)で重複があった。よって恋人との葛藤では16項目、異性友人との葛藤では計15項目を使用した。

Table 4 Table 5

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