2.空想に関する理論
パーソンは反復的空想と生産的空想を定義している。
人間は生涯を通して核となるいくつかの空想を反復し修正していく。
反復的空想は人間がどのように行動し、自分自身をどのように考えるかに大きな影響を及ぼす。
幼児期の葛藤の解決に役立つ正常な手段となることもあれば、それらの根深い葛藤にうまく適応できない神経症的反応として現れることもある。
生産的空想とは、内的現実世界と外的「現実」世界が作用しあって作用しあって生まれた複雑な産物である。
そして、この空想は将来の人生の進路に影響を及ぼす。
生産的空想は未来に焦点を当てており、現在の関心ごとや将来の願望に実用的に結びついていることが多く、ときに空想の内容が実行されることもある。
これらのことから、空想を現実世界にどう生かしていくかが精神的健康に非常に強く結びついていることが推測される。
空想に主体的に関わり、自分の生活に生かしていこうとする姿勢が非常に重要であり、そうでなければ空想をコントロールできず、嫌な空想をしてしまうことによって神経症などを引き起こしてしまうだろう。