1.本研究で明らかになったこと
本研究では、自己志向的完全主義における「高目標設定」「失敗過敏」「行動疑念」によって、空想内容、空想の役割・影響、空想する状況のそれぞれが影響を受けていることが分かった。
また、自己志向的完全主義が空想内容、空想の役割・影響、空想する状況を媒介として、精神的健康に影響を及ぼしている可能性が示された。
自分に高い目標を課する傾向である「高目標設定」が高い人は、快状況時に空想し、空想を未来対処のために活用しており、自らの生活に空想をうまく取り入れられる傾向があると考えられる。
一方、「失敗過敏」や「行動疑念」が高い人は、失敗したり、不幸な目に遭う空想をし、「失敗過敏」が高い人は不快状況時に空想し、
「行動疑念」が高い人は空想によってネガティブな影響を受けていると考えており、空想をコントロールできず、精神的健康を害していることが分かった。