2.今後の課題

 自己志向的完全主義、空想の多面的特徴が精神的健康に影響を与えるプロセスについて、 本研究では自己志向的完全主義が空想の様々な特徴を媒介として精神的健康に影響を与えるという想定のもと、分析を行った。

しかし、空想の様々な特徴が自己志向的完全主義を媒介として精神的健康に影響を与えている可能性も否定できない。 それぞれの変数がどのように影響し合っているのかは非常に複雑なメカニズムを有していることが考えられるため、今後もより詳細な分析を行うことが必要になるだろう。

また、今回の研究で調査できなかった変数の存在も無視できない。 今後はさらに別の変数についても検討し、分析を行っていく必要があるだろう。

また、「全体的幸福感」との関連について、松井・小玉(2004)の研究の結果と本研究の結果では空想内容「願望充足的空想」との関連において、異なる結果が示されたため、 「願望充足的空想」を含む影響関係に関しては、今後も検討が必要になるだろう。