【方法】


1.調査対象
 研究目的と調査内容への同意が得られた2歳前後の子どもを持つ女性6名(平均年齢36歳)を対象にインタビューを行った。

2.調査時期
 2015年10月下旬から11月上旬にかけて実施した。

3.調査方法
 調査開始前に,研究目的や実施内容,倫理面の配慮について説明し,調査協力者の許可を得てICレコーダーで面接内容を録音した。 最初に調査協力者の年齢と仕事の有無,子どもの年齢・性別・きょうだいの有無,子どもを預ける場所の有無,実家との同居, 子育てに関する情報収集,ママ友との交流について尋ねた。その後一人当たり平均20分の半構造化面接を行った。面接は調査協力者の自宅で行った。 主な質問内容は子どもの性格や個性,子育ての中で悩んだり困ったりすること,子育ての悩みへの対処方法,子育てを通して自分が変わったと思うことについてであった。

4.倫理的配慮
 調査協力者に研究の趣旨,調査データの利用範囲,プライバシーの保護,研究への参加と撤回について記載した文書を渡し,口頭で説明した。 面接内容は調査協力者の許可を得てICレコーダーで録音し,逐語録をローデータとして利用した。

5.分析方法
 木下(2007)による修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下M-GTA)を採用した。グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下GTA)は, 研究対象とする現象がプロセス的性格を持ち,人と人との相互作用が見出される場合に適した方法論である(木下, 1999)。 先述のように,本研究の目的は親が悩みに対処し,成長していくプロセスを明らかにすることであるため,GTAは本研究に適した分析方法であると考えられる。

6.分析手順
 分析は,インタビューの逐語録の概念化,カテゴリーへの統合,カテゴリー間の関係の検討の順で行った。

 以上のような概念の生成とカテゴリーの生成の作業を行きつ戻りつしながら分析を進める。新しい概念や解釈が出てこない理論的飽和という状態でインタビューの 逐語録の概念化とカテゴリーへの統合は完結し,カテゴリー間の関係の検討に移り,関係図を作成した。