方法
1.調査対象
三重県内の高校生354名に質問紙調査を行った。回答に不備があったもの、友人グループを形成していない者のデータを除き224名(男性131名、女性93名)を分析の対象とした。
2.調査時期
2015年11月中旬
3.手続き
高校に対し質問紙調査を依頼し、後日回収した。
4.質問紙構成
質問紙は、友人グループの人数に関する質問と以下の5つの尺度によって構成された。
(1)攻撃性
安立(2001)が作成した攻撃性質問紙から、被験者の負担を考え項目数を減らし、5因子24項目を使用した。「積極的行動」5項目、「対象攻撃行動」5項目、「自己破壊行動」5項目、「猜疑心」4項目、「自責感」5項目の計24項目を用い、
「まったく当てはまらない」から「非常に当てはまる」までの6件法で調査を行った。
(2)心理的居場所感
則定(2007)の心理的居場所感尺度を、友人グループにおける心理的居場所感を測るものに修正したものを使用した。また、攻撃性尺度と同じく、被験者の負担を考え「本来感」4項目、「役割感」5項目、「被受容感」5項目「安心感」4項目の
計18項目に減らし、「まったくそう思わない」から「とてもそう思う」の5件法で測定した。
(3)仮想的有能感
速水ら(2004)の仮想的有能感尺度を使用した。「話し合いの場で、無意味な発言をする人が多い」、「世の中には常識を持たない人間が多すぎる」といった11項目を、「まったく思わない」から「よく思う」までの5件法で測定した。
(4)自尊感情
Rosenberg(1965)の自尊感情尺度の日本語版(山本・松井・山成,1982)を使用した。「自分に対して肯定的である」、「だいたいにおいて自分に満足している」といった10項目を、「当てはまらない」から「当てはまる」までの5件法で測定した。
(5)依存欲求
竹澤・小玉(2004)の対人依存欲求尺度を加筆し修正したものを使用した。被験者の負担を考え、「情緒的依存欲求」7項目、「道具的依存欲求」7項目の計14項目に減らし、「まったくそう思わない」から「とてもそう思う」までの6件法で測定した。
(6)友人グループの人数
友人グループを「普段一緒に行動したり、遊んだりする三人以上の友人関係」とし、学校での同性友人グループの人数が自分を含めて何人かについて、1人から9人以上の中から選んでもらった。
目次