【方法】


1.調査方法

半構造化面接法によるインタビュー調査を行った。なお調査方法についてはインタビュー@Aともに同じ方法で行った。

・インタビュー@

 対象者:神戸市危機管理室防災体制整備担当Aさん 対象者は受援力に関して神戸市が進んでいると考えたため、受援力について詳しいと思われる担当者の方を対象とさせていただいた。Aさんには、平成27年2月に指導教員より電話で研究の主旨と面談希望をお伝えした。その結果、ご快諾を得て,その後はメールで打ち合わせを行った。

 調査項目:あらかじめ以下の内容の質問を用意し、インタビューさせていただく前にメールで送った。また、インタビューの流れによって項目の追加、削除を行った。
  1. 受援計画を作った経緯
  2. 受援計画の必要性
  3. 阪神大震災時のボランティアの受け入れ状況と問題点
  4. 支援を受ける側としての問題点(現在の神戸市としての問題点、神戸市から見た他の自治体や受援計画の進んでいない自治体について)
  5. 物的、人的、募金などの資金的支援それぞれの対する対応の問題点
  6. 東日本大震災時に神戸市はどのようにして支援に入っていったか
  7. 支援をする側としての問題点
  8. 支援、被支援の両方を経験しての改善点、必要な点
  9. 各組織との連携について(自治体間、自治体・ボランティア間)

調査時期:2015年3月11日13時から15時

調査場所:神戸市役所危機管理室

録音についてはICレコーダーを用い、倫理的配慮としては対象者に調査の概要を説明し、調査内容について本研究以外では使用しないこと、氏名などは伏せさせていただくことを条件に、論文での使用を同意していただいた。

・インタビューA

対象者:東日本大震災でのボランティア経験のある大学院生のBさん 対象者はボランティア経験のあるとして紹介を頂いた方ということで対象とさせていただいた。

調査項目:あらかじめ以下の内容の質問を用意し、インタビューの流れによって項目の追加、削除を行った。
  1. ボランティアをするようになった経緯
  2. 自治体に対してボランティアはどのように支援に入っていったか
  3. ボランティアを行う際に受け入れられないなどの現状はあったか
  4. 受け入れられない場合にどのように対応したか
  5. 滞在場所など自治体から準備されていたことはあるか
  6. 活動を行う中での苦労や改善点などはあるか
  7. 受け入れ側に対する要望

調査時期:2015年3月1日13時から14時30分

調査場所:本人の所属する大学の研究室

録音についてはICレコーダーを用い、倫理的配慮としては対象者に調査の概要を説明し、調査内容について本研究以外では使用しないこと、氏名などは伏せさせていただくことを条件に、論文での使用を同意していただいた。




2.分析方法

 分析では、大谷(2007)が開発したSCAT法により質的分析を行った。  SCAT法とはグラウンデッド・セオリーをもとに開発された質的分析手法であり、分析手続きが明晰で、小規模のデータにも適用できることから、本研究ではこの手法を採用した。  SCATを用いた研究は現在までに、教育工学、教育社会学、幼児教育学、養護教育、メディアリテラシー教育、日本語教育、法曹教育、臨床心理学、医学教育学、臨床研究、薬学、看護学、スポーツビジネス研究、ヒューマンサービス研究など、じつに多様な領域で発表されている。  分析の手順として、データをテクスト化し、それらをセグメント化していく。セグメント化したものを<1>データの中の着目すべき語句、<2>それを言いかえるためのデータ外の語句、<3>それを説明するための語句、<4>そこから浮き上がるテーマ・構成概念の順にコードを考えて付していく4ステップのコーディングを行い、<4>のテーマ・構成概念を紡いでストーリーラインを記述し、そこから理論を記述するという手順で行った。

・また、文献資料からも受援力、災害支援、ボランティアについて検討を行った。

・神戸市社会福祉協議会のCさんにも、事前のアポイントメントは取っていなかったが、訪問した際にインタビューさせていただくことができた。