方法
調査対象
三重県内の大学・短期大学に在籍する220名に質問紙調査を行った。回答に不備が見られた14名と、51歳、65歳の2名を除き、204名(男性49名、女性155名)を分析の対象とした。平均年齢は19.6歳 (SD=1.21) であった。
調査時期
2015年11月中旬〜下旬
手続き
大学・短期大学の講義時間内に、その講義を受講している学生に対し、自己理解に関する調査であるという旨を告げ、質問紙を配布した。調査形式はその場で回答を求め回収する一斉配布、一斉回収の方法をとり調査を実施した。
質問紙の構成
質問紙は以下の5つの尺度によって構成された。
・フェイスシート
「自己理解に関する調査」と称し、学年、年齢、性別を尋ねた。
@自意識尺度(21項目)
Fenigstein et al. (1975) が作成した「自意識尺度」の項目を参考に、菅原(1984)が独自に作成した自意識尺度を使用した(表1)。これは、「公的自意識」11項目、「私的自意識」10項目の合計21項目2因子から構成された尺度であり、自己意識の強さを測定することができると考えられる。自分自身について感じていることに最も近いものを、「全くあてはまらない:1」〜「非常によくあてはまる:7」の7件法で回答を求めた。なお、得点が高いほど自己意識が強い。

A成人愛着スタイル尺度(ECR-GO)の一般他者版(30項目)
Brennan et al. (1998) の「親密な対人関係体験尺度 (Experiences in Close Relationships inventory, 以下ECRと略す) 」の日本語版である、中尾・加藤(2004)の成人愛着スタイル尺度 (ECR-GO) の一般他者版(中尾・加藤, 2004)を使用した(表2)。これは、「見捨てられ不安」18項目、「親密性の回避」12項目の合計30項目2因子から構成された尺度であり、見捨てられ不安得点と親密性の回避得点の組み合わせにより、4分類の愛着スタイルを仮定することができる。自分自身について感じていることに最も近いものを、「全くあてはまらない:1」〜「非常によくあてはまる:7」の7件法で回答を求めた。

BPIに関する質問項目(25項目)
Taylor & Brown (1988) によるPIの3つの領域、「自己」、「楽観主義」、「統制」の定義に従って、外山・桜井(2001)が設定したPIに関する質問項目のうち、今回は「自己」の領域のみ使用した(表3)。これは、自己高揚的な認知をしている領域や程度を測定することができると考えられ、「社交性」、「経験への開放性」、「調和性」、「誠実性」、「身体的特徴」各5項目ずつの合計25項目5つの下位分類からなるものである。「一般的(平均的)な大学生と比べてあなたは」と教示し、自分自身について感じていることに最も近いものを、「全くあてはまらない:1」〜「非常によくあてはまる:7」の7件法で回答を求めた。

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