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要旨
本研究では,あこがれの人はどのような人物が対象となりやすく,あこがれた時期やきっかけ,どのようなところにあこがれ,あこがれることでどのような効果が得られるのかというリサーチクエスチョンに基づき,あこがれの人の想起と主導的な自己成長(Personal Growth Initiative:PGI)との関連に着目しながら,あこがれについて明らかにすることを研究の目的とした。
そのため,大学生を対象に,あこがれの人を想起させ,たずねるインタビュー調査と,インタビュー前後において自己成長主導性(PGI),20答法についての質問紙調査を行った。
そして,インタビュー調査によって得られたデータはSCATによる分析を行い,インタビュー前後の自己成長主導性の各下位尺度の得点の変化の関連,インタビュー前後の20答法の回答への変化の関連について検討した。
また,あこがれの人を想起することでどのような影響がみられるのかについても検討を行った。
結果,あこがれの対象として,<身近な年上の人>,<身近な同年齢の人>,<メディア上の人>,自分の就きたい<職業>に就いている人が挙げられ,関わる時間の長さや自分よりも経験が豊富な「身近」で「年上」の人が対象となりやすいことが示唆された。
また,自分に必要な力を有している人と出会う経験が多いと考えられる<大学生>の時に,<直接的な関わり>や<対象について知る>ことがきっかけで,自分と比較しやすい<行動・態度>にあこがれる傾向があった。
あこがれの人を意識することで得られる効果として,模倣するなどの<行動面>とモチベーション向上などの<心情面>の自分自身の変化が起きることが明らかになった。
また,あこがれの人を想起した後の20答法の回答において,「したい」という前向きな記述が多くみられたことから,あこがれは,やる気や現状からの変化を求める気持ちを高める効果があることが示唆された。
また,あこがれは,目標・理想像,モチベーションの向上を促す存在,自己について客観的にみるための指標となる存在という定義が見出された。
一方で,あこがれの人の想起前後のPGIや20答法の回答数の違いを検討したが,有意な差はみられなかった。
本研究において,あこがれが夢や目標の実現,自己の成長と関連がある可能性が示唆されたことから,将来,自己の能力向上や精神的な成長が求められる現代社会に適応していくためにも,あこがれは必要になると考えられる。
本研究では,あこがれの人を想起する方法や分析方法が適切であったかどうか検討する余地がある。
また,自己の成長について検討する上で,実践的な研究を行う必要があるといった課題も残された。
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