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結果2
2.PGIと20答法,感想についての検討
2-1.各下位尺度の記述統計と尺度構成の検討
あこがれの人を想起した人合計32名(男性9名,女性23名),平均年齢19.9歳(標準偏差=1.0)を分析対象とした。
2-1-1.PGIS-U日本語版の下位尺度の構成の検討
因子構造は先行研究にならい,下位尺度の構成は4因子構造とした。まずPGIS-U日本語版の平均値・標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「積極的な行動」でα=.58,「計画性」でα=.74,「変化への準備」でα=.59,「資源の活用」でα=.61という値がみられた。
2-1-2.各下位尺度の記述統計と相関
各下位尺度の記述統計をTable9に示した。この時,便宜上,あこがれの人想起前(インタビュー前)の各下位尺度の語頭にpre,あこがれの人想起後(インタビュー後)の各下位尺度の語頭にpostを付けた。
Table9 各下位尺度の記述統計量(N=32)
次に,各下位尺度間の相関係数をTable10に示した。Table10より,PGIの下位尺度である「pre積極的な行動」と「pre計画性」,「post計画性」,「post変化への準備」との間に正の相関関係(r=.39 ; p<.05)がみられた。また,「pre計画性」と「pre変化への準備」,との間に有意な正の相関関係(順にr=.55 ; p<.01)がみられた。
Table10 各尺度間の相関
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2-2.PGIの男女差の検討
PGIの男女差の検定を行うために,各下位尺度においてWelchの方法による平均値の差の検定を行った。各下位尺度のt検定の結果をTable11に示す。その結果,あこがれの人想起後の「post資源の活用」においてのみ,男性が平均3.41,女性が平均4.12と,男性よりも女性の方が有意に高い得点を示していた(t(30)=2.59 ; p<.05)。しかし,それ以外に有意差があるものは存在しなかった。
Table11 男女別の平均値と標準偏差およびt検定
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2-3.あこがれの人想起前後のPGIの変化についての検討
あこがれの人想起前と想起後のPGIの違いの検討を行うために,各下位尺度において対応のあるt検定を行った(平均はTable9参照)。しかし,どの下位尺度においても有意な差はみられなかった(積極的な行動,計画性,変化への準備,資源の活用の順に,t(31)=1.10 ; n.s. ,t(31)=0.50 ; n.s. ,t(31)=1.86 ; n.s. ,t(31)=0.13 ; n.s. )。
また,あこがれの人想起前後でPGIの得点が上がった人は,インタビューへの回答内容(対象,時期,あこがれるところ,きっかけ,意識する時,起こる変化)にどのような特徴がみられるかを検討するために,あこがれの人想起前後で,PGIの得点を分析対象者ごとにそれぞれ合計し,その差得点(あこがれの人想起後―あこがれの人想起前)を算出した。その結果,あこがれの人想起前後で得点が上がった人は17人/32人中,想起前後で得点が下がった人・変わらなかった人は15人/32人中であった(平均値0.91,標準偏差3.68)。次に,あこがれの人想起前後で得点の上がった人の差得点の平均値を算出したところ3.71であったことから,差得点が4以上ある8名に着目し,インタビューへの回答内容を表にまとめた(Table12)。
Table12 あこがれの人想起前後でPGIの差得点が大きい人のインタビュー内容(N=8)
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2-4.あこがれの人想起前後の20答法の回答数と内容の変化についての検討
2-4-1.あこがれの人想起前後の20答法の回答数の変化
あこがれの人想起前と想起後の20答法の回答数の差の検討を行うために対応のあるt検定を行った。その結果,あこがれの人想起前の回答数の平均は15.4,あこがれの人想起後の回答数は14.9であり,有意な差はみられなかった(t(31)=.757 ; n.s. )。
2-4-2.あこがれの人想起前後の20答法の内容の変化
Table13 あこがれの人想起前後の20答法への「したい」記述の有無(人数)
あこがれの人を想起することによって,「したい」といった前向きな記述がみられたかどうか検討するため,記述のある人を1,記述のない人を0としてクロス集計を行った。その結果,あこがれの人想起前後ともに記述あり17人が最も多く,あこがれの人想起後のみに記述あり7人,あこがれの人想起前後ともに記述なし5人,あこがれの人想起前のみに記述あり3人という順であり,あこがれの人想起前(20人/32人中)よりもあこがれの人想起後(24人/32人中)の方が,「したい」という記述が多くみられた。
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2-5.調査についての感想
あこがれの人について考えることで,どのような反応があるのかを検討するために,調査についての感想を自由記述でたずねたものをTable14に示した。
Table14 調査についての感想
「自分の思うあこがれがはっきりして,頑張ろうと思えました」,「自分の目標を再確認できた」,「改めて勉強頑張ろうと思えました」といった,モチベーションの向上につながったという感想があった。また,「自分について,自分の周囲について見つめ直す良い機会になりました」,「普段は,内容も内容なので人に伝えようと言語化することもなかったため,今回,改めて考えることができました」,「自分が何に,どこにあこがれを持つのか,インタビューで整理できたように思えます」として,調査を通じて自分自身について見つめ返すことができたという感想もみられた。
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