結果
【結果】
2.各下位尺度間の相関
2.1遠慮・察しコミュニケーション尺度を除く各下位尺度の相関
対人的志向性尺度,ENOCOREs,Kiss-18の各下位尺度の相関を算出した(table9)。
自己コントロールを除くENDCOREsと友人関係志向性の間に弱から中程度の正の相関(r=.44, r=.43, r=.42, r=.24, r=.27)が見られた。
また,Kiss-18の3つ全てのスキルが,友人関係志向性(r=.38, r=.43, r=.54),解読力(r=.33, r=.30, r=.35),表現力(r=.43, r=.37, r=.53),他者説得力(r=.44, r=.43, r=.43)との間に弱から中程度の正の相関が見られた。
各尺度内での因子間相関は,Kiss-18が他の尺度と比べ特に高い相関(r=.66, r=.57, r=.61)を示した。ENDCOREs内では,友人関係構築は他者受容との間のみでしか相関を得ることができなかった(r=.45)が,それ以外は全ての下位尺度間で弱から中程度の正の相関(r=.39, r=.52, r=.41, r=.40, r=.52, r=.31, r=.30, r=.32, r=.32, r=.34, r=.31, r=.33)が見られた。対人的志向性尺度内では,友人関係志向性と対人恐怖傾向の間で相関が見られなかった。
また,対人恐怖傾向と対人ストレス対処スキルおよび問題解決スキルとの間,無関心・孤立性と解読力との間において,弱い負の相関(r=-.29, r=-.22,r=-.28)が見られた。
2.2遠慮・察しコミュニケーションと各下位尺度の相関
遠慮・察しコミュニケーション尺度と対人的志向性尺度,ENOCOREs,Kiss-18との相関を算出し,親密性高群と親密性低群(table10とtable11)に分類した。
・対人的志向性尺度との相関
メッセージの解釈(察しあり)において,親密性高群のみ,無関心・孤立性との間にやや弱い相関(r=-.39)が見られた。
また,配慮ある情報伝達と適切な察し(適切な遠慮察しあり)において,親密性高群は友人関係志向性との間に中程度の正の相関(r=.55)が,親密性低群は無関心・孤立性との間に弱い負の相関(r=-.30)が見られた。
また,群共通して,過剰遠慮行動(遠慮のしすぎ)と過剰察し行動(察しのしすぎ)が,対人恐怖傾向との間にそれぞれ正の相関が見られた。(高群:r=.58, r=.37;低群: r=.53, r=.52)
・ENDCOREsとの相関
メッセージの解釈(察しあり)において,親密性高群では対立対処傾向との中程度の正の相関(r=.40)が,親密性低群では,自己コントロールとの間に高い相関(r=.62)が見られた。
配慮ある情報伝達と適切な察し(適切な遠慮察しあり)において,親密性高群では他者受容との間に高い相関(r=.60)が,親密性低群では解読力と自己コントロールとの間にやや高い相関(r=.58)が見られた。
過剰遠慮行動(遠慮のしすぎ)において,親密性高群では解読力との間に程度の正の相関(r=.42)が,親密性低群では他者説得力との間に弱い負の相関(r=-.33)が見られた。
上適応な言動 (遠慮察し無し)においては,親密性低群のみ解読力との間に弱い負の相関(r=-.36)が見られ,また群共通して自己コントロールとの間に弱い負の相関が見られた。
過剰察し行動(察しのしすぎ)はどちらも相関が見られなかった。
・Kiss-18との相関
メッセージの解釈(察しあり)と配慮ある情報伝達と適切な察し(適切な遠慮察しあり)において,親密性高群ではすべてのスキルとの間に,親密性低群は対人ストレス対処スキルとの間にのみ,それぞれ正の相関(高群: r=.41, r=.29, r=.44, r=.34, r=.36, r=.34;低群: r=.37, r=.31)が見られた。
過剰遠慮行動 (遠慮のしすぎ)において,親密性低群のみ,問題解決スキルと社交性スキルとの間にそれぞれ中程度の負の相関(r=-.47,r=-.52)が見られた。
上適応な言動 (遠慮察し無し)においては,親密性低群のみ,社交性スキルとの間に弱い負の相関(r=-.30)が見られた。
過剰察し行動(察しのしすぎ)においては,親密性高群のみ,対人ストレス対処スキルとの間に弱い負の相関(r=-.30)が見られた。
・遠慮・察しコミュニケーション尺度の因子間相関
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