結果
【結果】
4.対人的志向性と親密性の2要因分散分析
親密性と対人志向性の組み合わせによって遠慮・察しコミュニケーションの得点に違いがあるかを検討するために,親密性と対人的志向性を独立変数として,平均値を基準に親密性と対人志向性の各因子をそれぞれ高群と低群に分け,2×2の2要因分散分析を行った。独立変数および交互作用のF値と,群分けされた独立変数の人数,平均値差および標準偏差を,対人的志向性の各因子ごとに示した。
(table18-1,18-2,18-3)。
結果,配慮ある情報伝達と適切な察し(適切な遠慮察しあり)では,友人関係志向性の主効果が見られた(F(1,92)=8.05, p<.01**)(Table18-1)。友人関係志向性の得点が低い人よりも高い人のほうが,配慮ある情報伝達と適切な察し(適切な遠慮察しあり)得点が高くなった。
また,メッセージの解釈(察しあり)では,友人関係志向性の主効果が見られた(F (1,92)=6.43, p<.05*)(Table18-2)。無関心・孤立性の得点が高い人よりも低い人のほうが,メッセージの解釈(察しあり)の得点が高くなった。
過剰遠慮行動 (遠慮のしすぎ)と過剰察し行動(察しのしすぎ)では,対人恐怖傾向の主効果が見られた(過剰遠慮行動:F (1,92)=19.86 ,p<.01**;過剰察し行動(察しのしすぎ):F(1,92)=12.08, p<.01**)(Table18-3)。対人恐怖傾向の得点が低い人よりも高い人のほうが,過剰遠慮行動 (遠慮のしすぎ)と過剰察し行動(察しのしすぎ)の得点が高くなった。また,過剰遠慮行動には親密性の主効果もみられた(友人関係志向性:F(1,92)=4.12,p<.05*,無関心・孤立性:F(1,92)=4.39,p<.05*,対人恐怖傾向:F (1,92)= 6.22,p<.05*)。親密性高群よりも低群のほうが,過剰遠慮行動の得点が高くなった。
親密性と対人志向性との交互作用はいずれの場合も見られなかった。
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