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方法



3.質問紙の構成


 まずフェイスシートにおいて、研究目的や倫理面での配慮について説明し、調査に同意するかどうかを回答させた。 続けて学年、クラス、出席番号、性別について尋ねた。質問紙は以下の尺度によって構成された。

4-1.テスト状態不安
 テストが近づくにつれて不安に関するどのような思考が高まるのかを測定するため、独自に尺度を作成した。
@テストのことを考えると、あれこれと気になり勉強が手につかないAなるべくテストのことを考えないようにしている Bテストのことを考えると、心配でどれだけ勉強しても足りないのではと思うCテストに向けて、いっときも休まずに勉強しなければと思う Dテストが楽しみであるEこれだけ勉強したら結果がついてくるというイメージを持って勉強しているFはやくテストで実力を試したくて ワクワクしているGテストに対して、心配せずにゆったりとした気持ちで構えている、の8項目を、「1:全く当てはまらない」から 「4:とても当てはまる」までの4件法で尋ねた。


4-2.特性不安
 特性的な不安の感じやすさについて測定するため、STAI(State-Trait Anxiety Inven-tory)日本語版 (清水・今栄,1981)を各5項目に項目減数化したもの(小泉ら,1998) の特性不安に関する項目のみを用い、 「1:全く当てはまらない」から「4:とても当てはまる」までの4件法で尋ねた。


4-3.テスト不安
 テストに対する不安の感じやすさについて測定するため、TAI(Test Anxiety Inventory)の日本版 (荒木,1988)の「情動性」「懸念」の2つの下位尺度、各4項目ずつから成る8項目を、「1:全く当てはまらない」から 「4:とても当てはまる」までの4件法で尋ねた。


4-4.テスト観
 テストの目的や役割の認識について測定するため、鈴木(2012)のテスト観尺度の「改善」「強制」「誘導」「比較」の 4つの下位尺度、各2項目ずつから成る8項目を、「1:全くそう思わない」から「5:とてもそう思う」までの5件法で尋ねた。


4-5.数学苦手意識
 数学という教科に対する意識を「とても苦手」から「とても得意」までの5件法で尋ねた。


4-6.学習方略
 学習者が選択・使用する方略について測定するため、佐藤・新井(1998)のメタ認知方略尺度の 「柔軟的方略」「プランニング方略」の2つの下位尺度から各3項目ずつ、市原・新井(2005)の数学学習方略尺度の 「暗記・反復」「意味理解」の2つの下位尺度から各3項目ずつ、伊藤・神藤(2003b)の自己動機づけ方略尺度の 「社会的方略」の下位尺度から3項目に加え、「勉強を始めるよりも先に、部屋の片づけをする」 「勉強に向き合おうとすると、普段ではしないことをしたくなる」の2項目を「逃避方略」として計17項目を、 「1:全く当てはまらない」から「5:とても当てはまる」までの4件法で尋ねた。


4-7.自分の得点の相対予想
 自分の数学のテストの点数は同学年の中でどれぐらいの位置だと予想するかを「平均よりかなりできない」から 「平均よりかなりできる」までの5件法で尋ねた。


4-8.テスト結果不安
 テストを受け終わってから結果が返却されるまでに、どのような不安に関する思考が働くのかを測定するため、 独自に尺度を作成した。@いい結果であるかどうか気になるA自分の解答があっているのか気になる B他の人の出来が気になるCテスト問題や自分の解答を思い出さないようにしているDテストは終わったので、 落ち着いた気持ちで結果を待っている、の5項目を、「1:全く当てはまらない」から「4:とても当てはまる」までの 4件法で尋ねた。


4-9.テスト得点
 テスト得点の0点から100点を5点区切りの20項目に分け、当てはまる点数の回答を任意で求めた。


4-10.予想点と実際点の差
 テスト直後に予想した点数と実際の点数が合っていたかを「全く合っていなかった」から「合っていた」までの4件法で尋ねた。