方法
1.調査対象
三重県内の大学生が受講している講義にて質問紙調査を行った。講義の受講生である162名を対象とした。回答に同意が得られなかったもの,回答に不備が見られたものを除外し,117名(男性42名,女性74名,不明1名)を分析の対象とした。平均年齢は21.4歳であった。
2.調査時期
2017年11月下旬
3.手続き
講義内での回答時間は得られなかったため,講義を受講している大学生に講義時間前に質問紙を配布し,質問紙調査の説明を行った。その後,休憩時間に受講生らが各自で回答を記入する形式で行った。講義終了後に質問紙の回収を行った。
4.質問紙の構成
質問紙は以下の尺度によって構成した。
1.自己受容尺度(SASSV)
板津(1989)が作成した自己受容尺度(SASSV)を使用した。尺度は25項目からなっており,「生き方」,「他者との関わり方」,「情緒不安定でないこと」,「自信・自己信頼に欠けていないこと」,「自分自身への満足感」の5つの下位尺度からなっている。「全くそう思わない」から「非常にそう思う」の5件法で測定を行った。
2.就職活動への意識測定尺度(大学生自身の考え)
Benesse教育総合研究所(2012)の大学生の保護者に関する調査において,保護者が大学生の子どもに向けて持っている考えや思いに関して保護者の30パーセント以上があてはまると感じる質問内容から計13項目を作成した。「全く思わない」から「とても思う」の5件法で測定を行った。就職活動への意識に関して大学生自身の考えでの回答を求めた。
3.就職活動への意識測定尺度(保護者の考え)
大学生自身の考えを測定した項目と同一の項目での測定を行った。「全く思わない」から「とても思う」の5件法で測定を行った。このパートでは就職活動への意識に関して自分の保護者はこう考えているだろうという想定をしながらの回答を求めた。また,保護者間での相違がある場合の回答は,自分に対して最も影響を与えていると考えられる保護者を想定して回答を得た。
4.親からの自律性援助測定尺度
桜井(2003)が日本語訳をし,項目を追加して作成した親からの自律性援助測定尺度を使用した。「全く当てはまらない」から「よく当てはまる」の6件法で計20項目への回答を求めた。この尺度では尺度合計点が高くなると自律性援助の程度が高いと子ども自身が認知していることを示している。桜井(2003)では項目の最初が「私の親は」となっていたが,本研究ではこの部分を「私の保護者は」と言葉を変えて使用している。