7.自己呈示に関わる被服行動と被服によって呈示したい自己における公的自己意識高群・低群間の差について


 「公的自己意識」の高群は,『装いにおける流行志向』・『装いにおける社会儀礼志向』・『装いにおけるブランド志向』・『装いにおける個性志向』・《活発でさわやかな自分》・《賢くてまじめな自分》・《かわいくて女らしい自分》において,低群よりも得点が高い結果が示されたことから,公的自己意識が強い者は,『装いにおける流行志向』・『装いにおける社会儀礼志向』・『装いにおけるブランド志向』・『装いにおける個性志向』にみられるような被服行動をとることが示された。

 公的自己意識が高い人は化粧に対する関心が強い(菅原・岩男・松井,1985)ことや状況や雰囲気に合わせて着る服を演出する(Solomon & Schopler, 1982)がこれまでの先行研究で示されており,公的自己意識が強い人がもつ被服に関する関心の強さや自己呈示を積極的に行う行動傾向から,被服によって呈示したい自己イメージと被服行動共に多くの項目に関連がみられたのだと考えられる。

 また,賞賛獲得欲求と自己呈示に係わる被服行動,被服によって呈示したい自己との関連と比較すると,同じような関連がみられることから,賞賛獲得欲求は公的自己意識の強い者が持つ傾向のある対人欲求であるため,同様の関連が示されたと考えられる。



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