方法


1.調査対象
   三重県の大学生30名(男性 13名,女性 17名)に行った。

2.調査時期
   2019年11月中旬から12月上旬にかけて実施した。

3.手続き
   インタビュー法と質問紙調査法による調査を行った。調査の特性上,調査対象者の友人が著者の友人と被るとインタビュー調査の中で不都合が生じる可能性があったため,自分の友人または授業等で関わりを持ったことがある知人は調査対象者から外した。また,日頃から心理学に親しみのある教育心理学専攻1年〜4年の学生も調査対象者から外すこととした。これらの条件の下,男女比が偏らないように,授業で協力をお願いしたり著者の友人に協力者を募ってもらったりして30名を集めた。

4.質問紙の構成
   質問紙は以下の尺度によって構成した。
 また,フェイスシートは「大学生の友人関係のあり方に関する調査」と称し,本研究の調査に協力することへの同意を求め,本研究に関する説明事項を調査対象者に読んでもらい,それに同意する場合はそれぞれの項目にチェックを入れてもらった。また,それを踏まえた上で研究に同意する場合は,その意思表明として署名をしてもらった。

4−1. 状態自尊感情について
 状況によって変化する状態自尊感情について調べるために,状態自尊感情をはかる状態感情尺度(山本他(1982)が作成した尺度を元に阿部・今野(2007)が作成)を使用した。これらについて8項目を使用し,5件法(「あてはまらない」「どちらかと言えばあてはまらない」「どちらとも言えない」「どちらかと言えばあてはまる」「あてはまる」)で測定した。なお,阿部・今野(2007)は測定時の感情状態について限定的に測定するために教示文を “いま…感じる”としている。

4−2. 特性自尊感情について
 生来のもので比較的安定した特性自尊感情を測定するために,特性自尊感情尺度(阿部・今野(2007))を用いた。これらについて8項目を5件法(「あてはまらない」「どちらかと言えばあてはまらない」「どちらとも言えない」「どちらかと言えばあてはまる」「あてはまる」)で測定した。なお,阿部・今野(2007)により状態自尊感情尺度の教示文の「いま」の部分が「ふだん」とされ,各項目文を “ふだん…している” とされている。

4−3. セルフ・モニタリングについて
 セルフ・モニタリングを測定するために,改訂セルフ・モニタリング尺度(Lennox & Wolfe, 1984)を用いた。これらについて13項目を5件法「あてはまらない」「どちらかと言えばあてはまらない」「どちらとも言えない」「どちらかと言えばあてはまる」「あてはまる」)で測定した。

4−4. 自己切替について
 自己切替を測定するために,友人関係新規尺度(大谷,2007)を用いた。これらのうち,自己自信,自己切替,同調,目的別対象切替に関する14項目を5件法「あてはまらない」「どちらかと言えばあてはまらない」「どちらとも言えない」「どちらかと言えばあてはまる」「あてはまる」)で測定した。

5.インタビューについて
   対象者に,個別で上記の質問紙調査を行った後,1人あたり20~30分程度で半構造化インタビューを行った。インタビューはプライバシーに配慮し,質問紙調査と合わせて個室で実施した。インタビュー調査を始める前に,調査対象者に個人情報の保護について説明をした後,ボイスレコーダーで音声データを取って良いかどうか許可を得た上で,録音を行った。