方法


1.調査対象
   東海圏の大学生233名(男性 85名,女性 141名,平均年齢 20.51歳)に質問紙調査を行った。

2.調査時期
   2020年11月初旬に実施した。

3.手続き
   オンライン授業の時間内に15分程度時間をとり,一斉に行った。また,SNS上で回答者を募集し,回収した。回答に要した時間は10〜15分程度であった。

4.質問紙の構成
   質問紙は以下の3つの尺度によって構成した。
 また,フェイスシートで性別,年齢,親との同居について尋ねた。

4-1. 親への愛着尺度
 丹羽(2005)の親への愛着尺度を用いた。「愛着回避」「愛着不安」の2つの下位尺度からなる17項目を父親への愛着・母親への愛着に分けたため,全34項目からなる。これらの項目について,回答者自身にどれくらいあてはまるかを「全くあてはまらない(1点)」〜「よくあてはまる(5点)」までの5件法で測定した。

4-2. 多次元共感性尺度
 鈴木・木野(2008)の多次元共感性尺度の「他者指向的反応」「想像性」「視点取得」「自己指向的反応」の4下位尺度を使用した。「被影響性」については,素質的な要素であり(鈴木・木野,2008),愛着に先行する要因であるため,本研究では除外した(大浦・岡田・福井,2013)。4下位尺度,19項目を,回答者自身にどれくらいあてはまるかを「全くあてはまらない(1点)〜「よくあてはまる(5点)」までの5件法で測定した。

4-3. 友人関係愛他行動尺度
 永井(2011)の友人関係愛他行動尺度を用いた。「心理的援助因子」「日常的援助因子」「不干渉因子」の3つの下位尺度から構成されている。「不干渉因子」については,2項目であったため検討し,5項目に増やした。回答者自身がどれくらい行ったことがあるか,「したことがない(1点)」〜「非常によくある(5点)」までの5件法で測定した。