結果と考察


3.各下位尺度の記述統計量

 強みの介入によって生徒たちの本来感と自己受容はどのように変化するのかを検討するために,各下位尺度の合成得点を算出した。介入前後の本来感,自己受容の記述統計量をTable4に示す。本来感,自己受容の各項目において,天井効果,床効果はみられなかったことから,すべての項目を用いることとした。また,本来感尺度と自己受容尺度の内的整合性を確認するために,Cronbachのα係数を算出した。その結果,本来感(介入前)がα=.853,自己受容(介入前)がα=.808,本来感(介入後)がα=.862において高い値が示された。

 介入前後を比較すると,本来感は,平均値,標準偏差共にわずかに上昇したことが分かった。自己受容は,介入前に比べて介入後,平均値にわずかに上昇が見られた一方,標準偏差はわずかに下降が見られた。このことから,強みの介入により,中学生の本来感,自己受容は少々ではあるが,上昇するのではないだろうかということが示唆された。

  



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