結果と考察


6.本来感,自己受容の変化の原因の検討

 [活用できなかった日の記述]
 下位の生徒の多くが,5日間の中で,強みを活用できなかった日があった。記述からは,「もう少し意識をしてすごしていきたい(生徒53,忍耐力,1日目)」,「意識するのを忘れていたので気をつけたいです(生徒56,創造性,4日目)」といった,次回は使いたいという意気込みが見られた。しかし,使えなかったことに対して,使わないといけないが,使えなかった,と強み活用に義務感を感じていたとも考えられる。そして,使えない自分はよくないととらえたことが,本来感,自己受容の得点の下降の原因になったのではないかと推測される。

 一方,上位の生徒は,後述の[活用回数]の考察にもあるように,活用できなかった日が少なく,活用できなかった日があったとしても,空欄または「今日は使う場面がなかったです(生徒68,超越性,3日目)」という記述であった。これより,活用できなかった,というようにマイナスにとらえた記述がほとんどないことから,活用できなかったことを深刻に受け止めていたわけではなく,あまり気に留めていなかったのではないかと推測する。これは,本来感,自己受容の得点の下降に至らなかった一要因なのではないだろうか。



back/next