結果と考察




1.社会的スキル尺度KiSS-18 の因子分析

 まず,社会的スキルの尺度KiSS-18について探索的因子分析を行った(最尤法,バリマックス回転)を行った。その結果をTable1に示した。 

 因子負荷量が 0.4 未満である2 項目を削除し,16 項目 4 因子が抽出された。

 第1因子は5項目で構成されており,「知らない人とでも,すぐに会話が始められますか。」「初対面の人に,自己紹介が上手にできますか。」など,相手との会話やコミュニケーションをうまく行えるかに関連する内容に高い負荷量を示していた。そこで「コミュニケーション」と命名した。

 第 2 因子は4項目で構成されており,「周りの人たちとの間でトラブルが起きても,それを上手に処理できますか。」「気まずいことがあった相手と,上手に和解できますか。」など,トラブルや,対人関係の気まずさに対して,上手に処理できるかに関連する内容に高い負荷量を示していた。そこで「トラブル処理」と命名した。

 第 3 因子は3項目で構成されており,「仕事の上で, どこに問題があるかすぐにみつけることができますか。」「仕事の目標を立てるのに, あまり困難を感じないほうですか。」など,仕事や課題において,問題点や目標をうまく設定にできるかに関連する内容に高い負荷量を示していた。そこで「問題設定」と命名した。

 第 4 因子は3項目で構成されており,「何か失敗したときに, すぐに謝ることができますか。」「他人を助けることを,上手にやれますか。」など,仕事や課題において,他者と協力しながら解決しようとできるか関連する内容に高い負荷量を示していた。そこで「問題解決」と命名した。

 因子決定後にCronbachのα係数を算出したところ,因子ごとのα係数は,第1因子α=0.808,第2因子α=0.73,第3因子α=0.741,第4因子α=0.754であった。