結果




回答者計187名分(男性:90名,女性:91名,回答しない:6名)のデータを分析対象者とした。性別の違いも検討するため,回答なしは削除した。

1. 各下位尺度項目の因子分析と信頼性係数

 ほめられ経験尺度について,本研究で扱った18項目が先行研究で確認されている4因子構造となることを確かめるために,jamovi2.3.18による確認的因子分析を行った。(Table1)。その結果,モデル適合度がCFI=.935,SRMR=.0438,RMSEA=.0705と十分な値であったため,18項目をすべて採用し,先行研究の因子構造を採用した。

 ほめられ反応尺度について,本研究で扱った10項目が先行研究で確認されている2因子構造となることを確かめるために,jamovi2.3.18による確認的因子分析を行った。その結果,モデル適合度がCFI=.844,SRMR=.100,RMSEA=.112とモデル適合度が低かったため,修正指数を参考にモデルの修正を行った。その結果,CFI=.963, SRMR=.0444, RMSEA=.0689と十分な値であったためこのモデルを採用した。また,先行研究の因子構造の第2因子である「ほめ不信」は修正後,「ほめられるとはずかしくなる」「ほめられるとびっくりする」の2つとなったため,因子名を「ほめとまどい」と命名した。この2つの項目から,「ほめとまどい」はほめられることで恥ずかしがったり驚いたりする反応を示しており,決してネガティブな反応ではないのではないだろうか。

 学校享受感尺度について,本研究で行った8項目が先行研究で確認されている1因子構造となることを確かめるために,jamovi2.3.18による確認的因子分析を行った。(Table3)。CFI=.938, SRMR=.0598,RMSEA=.101となった。RMSEAの値はやや大きいものの,おおむね収集データに適合したモデルと判断できる値であったため,8項目すべてを採用し,先行研究の因子構造を採用した。

 各尺度の下位尺度ごとに尺度構成を行い,α係数を求めた。(Table4)。その結果,十分な信頼性を得られたと判断し,分析を進めた。









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