第6回の分析
 
 第6回では児童Aの場合と同じように、話し合い場面に特に注目して観察を行った。そのため、話し合いに関連するキーワードが頻出している。
 『言う』は「発言はあまりなく」「小さい声で下を向いて〜言っていた」などの使い方をされており、話すときのコツがあまりできていないことや発言に対して消極的であることを示している。しかし、これまで発言がほとんどなかったことを考えると、消極的ではあるが発言そのものが増えてきていることや、「最後まで言う」ことができていて、大きな進歩だと言えるだろう。また、「発言している人の方を向いて聞けている」という、聞く態度についての記述もあった。
 『方』『向く』は「〜している人の方を向く・見る」という使われ方をしていることが多い。その中でも「話をしている人の方を向く・見る」が多く、話し手の方を向いて聞くことができているときと、そうでないときがあった。話し手の方を向いていないときは地図を見ていることが多く、この回は話し合いながら地図を作る活動であったため、話し手の方を向いていないからといって聞く態度ができていないとは言い切れない。また、児童Bが話し手のときには相手の方を見て言うことができておらず、体は向いているが、目線は違うところを向いていた。これまでの児童Bの行動から考えると、目を見て話すことは恥ずかしくてできないのだと思われる。『相手』は「相手の方」「相手の顔」という使われ方をしており、聞くとき、話すときに相手の方を向くことができていたかどうかに注目した記述であった。
 『小さい』『声』はペアで使われていた。児童Bの声が小さいことを強調している。
 『地図』はこの回の活動が地図を作ることが主であったために頻出しており、「地図を指す」「地図に描きこむ」などの記述があった。児童Bが積極的に活動に参加していたことが読み取れる。
 
 
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