方法
調査対象者
皇學館大学、三重県立看護大学、三重短期大学、三重大学大学生及び大学院生249名(男性92名、女性157名)を対象として質問紙調査を実施した。
有効回答数は計243名(男性89名、女性154名、平均年齢20.3歳)。
調査時期
2003年12月に実施。
質問紙の構成
質問紙は、6つの対人場面と6人の刺激人物をそれぞれ組み合わせて36通りを作成し、場面と人物を重複して評定することのないようにそれらのうち6つを抜き出して組み合わせたものを1つの質問紙とした。結果として質問紙を全部で6パターン作成した。また、データ入力の便宜上、個々の質問紙の右上にアからヤの印をつけた。作成した質問紙に被調査者を各パターンにつき約40名ずつランダムに割り当てて回答させた。具体的には、場面と刺激人物の紹介文を組み合わせたものを被調査者に文章として呈示し、それぞれの状況における人物についてどのように感じたかを評定させた。
(1)使用尺度
廣岡(1990)で使用されたパーソナリティ評定尺度の因子分析結果から、「個人的親しみやすさ」、「社会的望ましさ」、「力本性」の各因子に高い負荷を示した尺度から自身が初対面場面の人を評定する項目としてふさわしいと考えた項目を6項目ずつ選出し、計18項目の質問紙を作成した。すでに記述した場面とSPの紹介文を組み合わせた文章を被調査者に呈示し、それぞれの状況における人物についてどのように感じたかを5段階で評定させた。具体的には、3を「どちらでもない」として、それぞれ1、5に向かうほど各項目の形容詞について「非常にそう思う」となる5段階で評定させた。
(2)初対面場面の設定について
初対面場面については、初対面場面を廣岡(1990)にしたがって「親密性(個人的親しみやすさ)」、「課題志向性(社会的望ましさ)」、「不安」の3次元それぞれについて、大学生の日常生活の中で様々な対人関係を継続していくために重要であるか(重要性−高)、重要でないか(重要性−低)という重要性の2次元から設定し、合計で6場面を設定した。
※「課題志向性(社会的望ましさ)」の次元
初対面場面@:「講義(1回限り)」場面
初対面場面A:「講義(半期間継続)」場面
※「親密性(個人的親しみやすさ)」の次元
初対面場面B:「単発アルバイト」場面
初対面場面C:「サークル」場面
※「不安」の次元
初対面場面D:「道ばた」場面
初対面場面E:「長期アルバイト」場面
※注 奇数番号の初対面場面が重要性−低の対人場面、偶数番号の初対面場面が重要性−高の対人場面である。
(3)刺激人物について
刺激人物については、親密性と相手(被調査者)に対する対人関係期待が高いか低いかによって4種類の人物を、さらに統制人物として親密性と相手(被調査者)に対する対人関係期待に全く関係のない人物を2種類、合計6種類の人物を刺激人物として設定し、その刺激人物の人物紹介文を被調査者に対して呈示した。なお、ひとつの質問紙に6場面あるので、人物紹介文の○さんの部分には、質問紙に記載される順番にしたがって、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんとした。
人物T:親密性−高・認知者への対人関係期待−高
人物U:親密性−高・認知者への対人関係期待−低
人物V:親密性−低・認知者への対人関係期待−高
人物W:親密性−低・認知者への対人関係期待−低
人物X:親密性・認知者への対人期待を感じさせない人物(統制人物)
人物Y:親密性・認知者への対人期待を感じさせない人物(統制人物)
質問紙のパターン
前述したように、6つの初対面場面と6人の刺激人物をそれぞれ組み合わせて36通りを作成した。
これら36通りのうち6つをそれぞれ場面と人物を重複して評定することのないように組み合わせ、ひとつの質問紙とした。
そして、上で述べた6パターンそれぞれに被調査者をランダムに割り当てた。
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