因子分析の結果 


a.被開示者のストレス反応尺度
被開示者のストレス反応の因子構造を明らかにするために全14項目について、因子分析(主因子法、プロマックス回転)を行ったところ、固有値1.0以上の基準で3因子を抽出した。著しく負荷量が低かった1項目を除外し、残りの13項目で再度因子分析(主因子法、プロマックス回転)を行い、「情緒不安定」「回避」「抑うつ」からなる3因子13項目を採用した。
「情緒不安定」は、開示者のストレスフルな体験に曝されることで開示者と同様の反応を呈し、そうした症状により情緒的な不安定さを表す項目から構成された。
「回避」は、開示を受け止めることにより、他者に対してイライラしやすくなるなどの感情の変化が生じ易くなり、他者と距離を置くようになったり、その出来事を忘れようとするなどの反応を表す内容となった。
「抑うつ」は、開示者の示す悲しみや落ち込みに共感的に関わることで生じる感情感染的な悲しみや抑うつの反応であったり、開示者に対して何も出来ないと感じることによる無力感を表す項目から構成された。

b.共感性尺度
被開示者の共感性の因子構造を明らかにするために角田(1994)をもとにして全16項目について、因子分析(主因子法、プロマックス回転)を行った。角田の結果より2因子を設定して因子分析を行い、「共有不全経験尺度(scale of insufficient sharing experience :SISE)」「共有経験尺度(scale of sharing experience :SSE)」からなる2因子16項目を採用した。


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