2−1.嫉妬場面
深田ら(1989)は、嫉妬を感じるであろうと思われる4場面(以下、嫉妬場面)と、両者の関係が順調である1場面(以下、統制場面)を用いている。これらの場面は、恋人からの拒否の程度が異なるものを予備調査により設定している。本研究では、質問紙全体のボリュームを考え、拒否の程度がもっとも強い場面、拒否の程度が中程度の場面、そして、統制場面の3場面を用いた。
<統制場面>
場面1:
先日、あなたは、( )と二人きりでドライブに行って、楽しい一日を過ごした。
<嫉妬場面>
場面2:
あなたは、友達から、「この間、( )がとてもかっこいい男性(かわいい女性)と二人きりで映画を見ていたよ。」と聞かされた。
場面3:
あなたは、偶然( )の部屋で十数枚の写真を見てしまい、1週間前( )が行った2泊3日の旅行は、とてもかっこいい男性(かわいい女性)と二人きりだったことを知った。
用いた3場面を想起させやすくするために、現在または過去において相思相愛の関係である(であった)恋人を思い起こさせ、その相手のイニシャルを呈示文のカッコ内に記入させた。そして、呈示した場面がその恋人と被験者との間に起こったと想定し、その場面をできるだけ具体的に想像するように教示した。
また、現在または過去において相思相愛の関係である(であった)恋人に該当する人物がいない場合は、呈示文のカッコ内に「A」と記入してもらい、呈示した場面が架空の恋人と被験者との間に起こったと想定し、その場面をできるだけ具体的に想像するように教示した。
なお、分析には、「A」以外を記入した者、つまり、現在または過去において相思相愛の関係である(であった)恋人が存在する者のみを対象とした。