5−1.公的自己意識×場面×性別

 従属変数を価値ある関係を失うことへの恐れとした、公的自己意識Low・High群×場面×性別の3要因の分散分析を行った。場面の主効果(F(2,302)=442.446,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど価値ある関係を失うことへの恐れが高くなっていた。また、公的自己意識と場面との交互作用(F(2,302)=5.627,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、両群において各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど価値ある関係を失うことへの恐れが高くなっていた。また、場面1、場面2において有意な群差が見られた。性別をつぶした群×場面ごとの価値ある関係を失うことへの恐れをFigure.1(PDF)に示す。

 従属変数を自尊心喪失の恐れとした、公的自己意識Low・High群×場面×性別の3要因の分散分析を行った。場面の主効果(F(2,302)=355.936,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど自尊心喪失の恐れが高くなっていた。また、公的自己意識と場面との交互作用(F(2,302)=4.007,p<.05)が有意であり、下位検定の結果、両群において各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど自尊心喪失の恐れが高くなっていた。一方、各場面において有意な群差は見られなかった。性別をつぶした群×場面ごとの自尊心喪失の恐れをFigure.2(PDF)に示す。

 従属変数を怒りとした、公的自己意識Low・High群×場面×性別の3要因の分散分析を行った。場面の主効果(F(2,302)=560.328,p<.01)と公的自己意識の主効果(F(1,151)=5.890,p<.05)が有意であり、下位検定の結果、各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど怒りが強くなっていて、公的自己意識High群の方が怒りが強かった。また、公的自己意識と場面との交互作用(F(2,302)=6.610,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、両群において各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど怒りが強くなっていた。また、場面2、場面3において有意な群差が見られた。性別をつぶした群×場面ごとの怒りをFigure.3(PDF)に示す。

 従属変数を不安とした、公的自己意識Low・High群×場面×性別の3要因の分散分析を行った。場面の主効果(F(2,302)=560.328,p<.01)と公的自己意識の主効果(F(1,151)=5.563,p<.05)と性別の主効果(F(1,151)=4.763,p<.05)が有意であり、下位検定の結果、各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど不安が強く、公的自己意識High群の方が不安が強く、そして、女性の方が不安が強かった。また、公的自己意識と場面との交互作用(F(2,302)=6.035,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、Low群において各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど不安が強くなっていて、High群においては場面1と場面2、場面1と場面3の間に有意差が見られた。また、場面2、場面3において有意な群差が見られた。性別をつぶした群×場面ごとの不安をFigure.4(PDF)に示す。

 従属変数を嫉妬とした、公的自己意識Low・High群×場面×性別の3要因の分散分析を行った。場面の主効果(F(2,302)=719.322,p<.01)と公的自己意識の主効果(F(1,151)=7.284,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど嫉妬が強く、公的自己意識High群の方が嫉妬が強かった。また、公的自己意識と場面との交互作用(F(2,302)=9.133,p<.01)が有意であり、下位検定の結果、Low群において各場面間に有意差が見られ、拒否の程度が強い場面ほど嫉妬が強くなっていて、High群においては場面1と場面2、場面1と場面3の間に有意差が見られた。また、場面2、場面3において有意な群差が見られた。性別をつぶした群×場面ごとの嫉妬をFigure.5(PDF)に示す。


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