・・・結果・・・



1.各質問の因子分析


2.自己開示・ソーシャルサポートの相関


3.メディア意識の比較


4.それぞれの自己開示内容の検討


5.回帰分析





































1.各質問の因子分析


自己開示、ソーシャルサポート、メディア意識の質問項目について、それぞれ因子分析を行った。(主因子法、プロマックス回転)


(1)自己開示

探索的因子分析により、「内的自己開示」「外的自己開示」「興味・志向的自己開示」と命名した3因子が抽出された。

「内的自己開示」因子は、疎外感や孤独感、異性に対する気持ち、など榎本(1986)における精神的自己や、身体的自己、社会的自己の中の私的人間関係などに対応した項目に高い因子負荷量が見られた。

「外的自己開示」因子は、勉強に関する分からない事、先生・上司との関係に関する問題など、社会的自己の中の公的役割関係や物質的自己、血縁的自己などに対応した項目において因子負荷量が高かった。

「興味・志向的自己開示」因子は、文学や芸術に関する意見、趣味としていることなど、精神的自己の中でも志向的側面や、趣味や意見などに対応した項目において因子負荷量が高かった。

3因子それぞれにおいて、内的整合性を検討するためにCronbachのアルファ係数を出した所「内的自己開示」因子α=.940、「外的自己開示」因子α=.893、「興味・志向的自己開示」因子α=.844と十分な値が得られた。


(2)ソーシャルサポート

「心理的サポート」「情報共有的サポート」と命名した2因子が抽出された。

「心理的サポート」因子の項目は困難なことでもお互いに協力して解決しようとする、相談事や愚痴を聞いたり話したりする、などお互いの深層に根ざしたサポートからおしゃべりなどをして楽しい時間を過ごすなどの比較的浅いサポートまでを幅広く包括している。

「情報共有的サポート」因子の項目は、共通の趣味や関心を持っている、興味のあることについて語り合う、などお互いにとって有益な情報のやり取りを中心とした物となっている。

2因子それぞれにおいて内的整合性を検討するためCronbachのアルファ係数を出した所、「心理的サポート」因子はα=.945、「情報共有的サポート」因子はα=.856、と十分な値が得られた。


(3)メディア意識

先行研究(都築ら,2005)に則って対面の友人のみの群と対面・インターネット双方に友人のいる群のメディア意識に関するデータを用いて、因子分析を行った。

その結果、ほぼ先行研究通り「親和感情」「情報収集」「メディアコミュニケーションの困難さ」の3因子が抽出された。

3因子それぞれにおいて、Cronbachのアルファ係数を出した所、「親和感情」因子α=.849、「情報収集」因子α=.715、「メディアコミュニケーションの困難さ(MC困難)」因子α=.685と高い信頼性係数を出した。
よって、各因子内の内的整合性は高いと言えるだろう。







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□全ての群において、自己開示とソーシャルサポートの間には強い相関が見られた。

対面の友人のみの群  → 以下FTF群と記述

 

心理的サポート

情報共有的サポート

ソーシャルサポート

内的自己

.702**

.512**

.679**

外的自己

.672**

.599**

.686**

興味・志向的自己

.638**

.689**

.690**

自己開示

.747**

.632**

.751**



対面・インターネットに友人のいる群 → 以下CMC群と記述
【対面の場合】

 

心理的サポート

情報共有的サポート

ソーシャルサポート

内的自己

.702**

.512**

.679**

外的自己

.672**

.599**

.686**

興味・志向的自己

.638**

.689**

.690**

自己開示

.747**

.632**

.751**



対面・インターネットに友人のいる群
【インターネットの場合】

 

心理的サポート

情報共有的サポート

ソーシャルサポート

内的自己

.702**

.512**

.679**

外的自己

.672**

.599**

.686**

興味・志向的自己

.638**

.689**

.690**

自己開示

.747**

.632**

.751**






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3.メディア意識の比較


FTF群と、CMC群におけるメディア意識の各下位尺度、親和感情・情報収集・MC困難の得点の平均値を割り出して、その値についてt検定を行い比較した。

その結果、親和感情下位尺度(t(199)=‐4.26,p<.001)情報収集下位尺度
(t(182)=‐3.62,p<.001)MC困難下位尺度(t(199)=‐3.01,p<.01)において対面・インターネット両方に友人のいる群の方が有意に高い数値が出た。



 

親和感情

情報収集

MC困難

 

CMC群平均値

2.78

4.35

3.85

 

CMC群SD

0.88

0.67

0.81

 

FTF群

2.28

3.94

3.51

 

FTF群SD

0.77

0.91

0.82

 

 

t 値

自由度

有意確率 (両側)

親和感情 FTF群 - 親和感情 CMC群

-4.26

199

.000

情報収集 FTF群 ? 情報収集 CMC群

-3.62

182.267

.000

MC困難 FTF群 ? MC困難 CMC群

-3.01

199

.000







■メディア意識と自己開示がソーシャルサポートに与える作用について

交互作用を検討したが、交互作用は得られず、自己開示の主効果のみが有意だった。









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4.それぞれの自己開示内容の検討




■FTF群の対面の自己開示⇔CMC群の対面の自己開示 比較検討

興味・志向的自己下位尺度においてCMC群において開示量が有意に多いという結果が得られた。(t(199)=3.17,p<.01)。

しかし、それ以外の開示の量については有意な差は見られなかった。






■CMC群の対面の自己開示⇔CMC群のインターネットの自己開示 比較検討

全ての下位尺度において対面の友人に対する自己開示量の方が、インターネット上の友人に対する自己開示量に比べて有意に多いという結果が出た。








■ FTF群 自己開示の質検討

下位尺度の平均値の差は、内的自己と外的自己、内的自己と興味志向的自己の間で有意な差が見られたが、外的自己、興味志向的自己の間には有意な差が見られなかった。





■ CMC群 【対面の自己開示】 自己開示の質検討

下位尺度の平均値は、興味志向的自己が、外的自己と内的自己よりも有意に高い値を示していることがわかったが、内的自己と外的自己の間には有意な差はなかった。



■ CMC群 【インターネットの自己開示】 自己開示の質検討

それぞれの下位尺度の平均値には、全ての群の間に有意な差が見られた。








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5.回帰分析

■ FTF群の回帰分析




■ CMC群の回帰分析【対面の場合】




■ CMC群の回帰分析【インターネットの場合】




■ CMC群の回帰分析【インターネットの場合・メディア意識を加えて】







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