第4回の分析
 
 この回での『言う』は、断るときにどのように言うかについての記述に多く使われている。「親の頼みごとは強制で断ることができない」という児童の意見や、「断るのがめんどうだから頼まれたことをやる」という場面も見られ、断ることに対して消極的な姿勢であることがわかった。普段から断るときに理由を付けて断っている児童もいるようだが、その内容は「自分に必要ないからやりたくない」というような自分中心のもののようである。ロールプレイではコツを使ってうまく断れているが、ロールプレイ終了後にはコツを使った断り方ができていない児童が見られることからも、わかっているができない、やりたくないという気持ちがあり、断るスキルの般化には時間がかかりそうである。しかし、どうやって断ればよいのかを教えられるだけでなく、考えて自分で気づけている児童もいたようだ。断るとき以外の『言う』では、これまで声が小さく発言もあまり見られなかった児童の発言が増えたことについて書かれていた。その児童の発言は声が小さく聞き取りにくいが、それを顔を近づけて聞こうする児童が同じグループにいるおかげで、発言の促進につながったのではないかと推測される。
 『みんな』について見てみると、「みんなに見せることに自信がない」「みんなの前でやるのは恥ずかしい」など、人前に立つことに抵抗がある児童も少なくないことがわかる。
 
 
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