第6回の分析
 
 この回では『よい』が最も多く使われており、児童の行動のよかった点がいくつか記述されていた。話し合い場面に関するものでは、「こうしたらいいという意見を出して話し合いを進めていけた」「地図を中心にみんなで話し合いができた」などのよかった点が挙げられていた。この回は第2回で学習した「話し合いのコツ」の成果を見るために、話し合いを中心とした活動が行われたが、みんなで話し合うことが比較的できていたようである。
 『言う』を見てみると、コツの書いた紙を見ながらの発表であったが、全体に向けての発言ができている姿や、グループのメンバーにアドバイスをする姿が見られる。また、仲間やスタッフからのアドバイスを受けて発言に踏み切る児童の姿も記述されていた。
 この回でも『頼む』場面が意図的に作られていた。頼む場面を見てみると、ほぼ全ての児童が頼み方のコツを覚えていたが、スラスラ出てくるほどに身につけているわけではないことがわかる。しかし、第3回の頼みごとのエクササイズのときには嫌がってできなかった児童が今回はコツの書いてある紙を見なくてもきちんと頼むことができたという報告もあり、行動では示せなかったが学習していたことがわかった。
 この回では、わくわくクラブの修了証をスタッフからプレゼントする活動を行ったため『読む』も多く使われていた。スタッフが読むだけでなく、欠席したスタッフの代わりに児童が修了証を読んであげたいと申し出る姿がみられた。恥ずかしがって自分の修了証を人に見せないようにしたり、他の児童が読んでもらうのを聞かない児童が多い中、他者がどんなことを書いてもらっているのかを知り、スタッフの言葉であるが褒める経験ができたと言えるだろう。
 
 
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